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第116話
「お腹…空いたね…」
「りとさん…元気過ぎです…」
「だって…ずっと…待ってた…好きな人と気持ちが通じ会うこと…気持ちが通じあった後…体を繋げること…俺ね…めのさんがいない間凄く最低なやつに成り下がってたの…凄く性生活が荒れててね…」
「…はい」
「でもね、ある人に出会ってそれもすっかりやめた。そこからは全うに生きてきたけどどこか…心は寒くて…こんな日が来るなんて…思わなかった…めのさんは…離れている間どうしてた?」
「仕事ばっかりでそういったことには全く気持ちが向かなかった…ちょっと妬けちゃう…りとさんのあんな欲情しきった顔沢山の人に向けてたって思うと…その分これからは俺だけにして?」
「うん。もうめのさん以外要らない」
「うん。俺もりとさんだけでいい…」
もう一度口付け体を起こす。
「ごめんねぇ。動けないでしょ?俺が作っていい?」
「お願いします」
めのさんの料理には到底及ばないのはわかってた。でも一生懸命作った
二人で向かい合いながら食べられるなんて…本当に夢みたいで
「りとさん?りーとーさん!大丈夫?ぼんやりしてるけど」
「めのさんに見惚れてた。」
そう言うと顔を真っ赤に染めるめのさん。本当に…可愛い…
「もう!そんないい顔で言わないで…恥ずかしい」
「どうして?何回言っても足りないくらいだよ。これからもずっといい続けるよ」
「もう…りとさん…年下なのに…すごく…」
「ん?」
「何でもないです」
片付け終えてソファーに座りめのさんを足の間に座らせる
お腹に腕を回してめのさんの肩に顔を埋めると擽ったそうに首を竦めるめのさん。
「ねぇ…めのさん…何でそんな可愛いの?」
「…りとさんの前だからです」
「それ…ずるい…」
「仕返しです」
「めのさん。大切な人に送るためのプレゼントって誰にあげるの?」
「そんなの決まってるでしょ?あなたのご両親と母とそして…あなたです」
「俺のは要らない…それか…ペアリングとか欲しい…」
「ふふっ…一緒に作ってくれますか?」
「うん。作ろう」
両親にはキーケース。お母さんにはネックレス
そして…
「出来たね…一緒に渡しに行こう。俺たちの事も報告したいな…」
「いいんですか?伝えても」
「俺は昔からゲイなの伝えてて。でもめのさんが嫌なら」
「嫌なわけないです…」
「めのさんのお母さんは?大丈夫?」
「母は俺のりとさんへの気持ち前から知ってますから」
「ならいい?」
こうして互いの両親に一緒に会いに行った
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