120 / 133

第120話

平穏な日々は続く… 「こんなにも幸せで…いいのかな?」 「俺は嬉しいよ。」 「めのさん。お仕事どう?」 めのさんはこっちに来て知り合いの伝で今は高級住宅街の一角に店を構えている。めのさんのお店は評判で連日賑わっている。 いつ行っても満席…料理の味も然る事乍ら、やはりめのさんの人を引き付けるあの容姿も相俟って圧倒的に女性客が多くまだ開店して間もないにも関わらず既に多くの雑誌に取り上げられている。 「また載ってたね。噂のイケメン料理人…」 「あはは…言い過ぎだよね…」 「なぁんか…めのさん遠い人になっちゃってるなぁ…寂しい」 「りとさん。俺はりとさんのことしか考えてないよ。誰よりも大切な…大好きなりとさん…」 そっと口付けをくれるめのさんを受け入れる。 「めのさん…」 「そろそろ行くね。行ってきます」 「うん。行ってらっしゃい…」 ここ最近…何故か不安が押し寄せてくる…こんなにも俺は弱かったかな?… 今日は円山へ行かないとならないのでスーツに着替え家を出る。 いつものように会議に出てその後仕事をしていると声がかかる 「成兼くん。少し時間いいかな?」

ともだちにシェアしよう!