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第122話

めのさんがキスしてた…可愛い子だった… 「成兼くん。少し時間いいかな」 部長に呼ばれて会議室に行くと 「成兼くん。君担当の若松さん覚えてる?」 「えぇ。勿論です」 「若松さんの所でトラブルがあったみたいで円山を出してこいって言われちゃっみたいで…私が代わりにと思ったんだけど…聞いてみると君にしか無理な案件で…だから急で申し訳ないのだけれど明日から向こうに飛んでくれないだろうか」 「わかりました」 若松さんは俺が円山に入社したときから懇意にしてるお得意様で何度も彼に助けてもらった恩がある。断る理由もないので首肯く。 ただ話を聞くとそう簡単には片付けられないような案件でおそらく出張は数日を要する… めのさんとの時間が…そう思ったら仕事終えて足はめのさんのお店に向いていた… ビックリした…まさか…めのさんが… 本当は少し前から気にしてた…あれだけ注目されれば好意を持つものは必ず現れるし押しに弱いめのさんはきっと直ぐにでも情に絆されてしまうかもしれないって… その矢先のことで…もう頭は真っ白で… 急いで自宅に戻って荷物をまとめて飛び出してた… 今めのさんの顔見たら泣いてしまいそうだったから… 「めのさん…」 空港の駐車場で夜を明かして朝イチの便に飛び乗った。 仕事は仕事。切り替えるのは得意だから大丈夫 帰ったらちゃんと話をしよう。どんな結果になるかはわからないけどまずは先にこれを片付けないと… めのさんからの連絡は全て見ない振りをした… 漸く事態が終息したのはその十日後だった でも足が重くて…家に帰れなくて…実家に戻ってきた 「あら?璃人。どうしたの?」 「ごめん。母さん。少しここ泊めて…」 「…瑪瑙くん…昨日もここにきたわよ」 「…」 「何があったの?」 「…何でもない…やっぱいいや。帰るね」 「璃人!待ちなさい!」 母の制止を振り切って向かった先は琢磨の家。 夏南は今は二人目の出産で入院している 「ごめんね。急に」 「いいよ。」 「あれ?磨南は?」 「義父さんとこだよ」 「そっか。」 「何があったの?」 琢磨や夏南にはめのさんのことを既に話してて二人して凄く喜んでくれた… 琢磨に全て話すと 「ねぇ。璃人。ちゃんと話したら?高遠さんそんなことする人には見えない。何か理由があるんじゃないの?」 「…」 「俺が言うのもなんだけど…夏南の時みたいになって後悔しても遅いよ?」 「…わかってる…」 琢磨と話してる間もめのさんからの着信が鳴り響いていた 「電話…出ないの?」 「…何でもない電話だから平気」 そのあとは二人で何でもない話をして久しぶりに飲んだからか俺は意識を手放していた

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