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第13話

サタはなんとなく亀頭から静かに出てくる液を右の中指で絡め取り、手を広げたまま口に当てて食んでみた。 「甘い……」 血液ではないはずなのに、サタには甘いという味覚を感じた。 不思議に思いながらサタはキオの顔を見ると、嘘のつけない涙を流していた。 それはイヤなことを示していると、サタは感じた。 「なんで泣いとんの?そんなにイヤやった?」 サタは心配してキオの涙を優しく拭き取る。 「ちゃうよ。気持ちええけど、なんで気持ちええのかわからんくて……りーにぃを気持ち良くさせたいから、僕が気持ち良くなっちゃあかんのに」 快楽の涙だったことと自分を想う涙だったことに驚きながらもうれしいサタ。 「気持ちええんか?」 確かめるように聞くサタ。 「めっちゃ気持ちええよ」 素直に答えるキオ。 「良かったぁ」 「ええ……の?」 安心した笑みを浮かべるサタにキオは戸惑った。 「俺のもんが気持ちええってことは、俺が気持ちええってことやからな」 「ほんまに?」 自信のないキオは恐る恐るサタに聞いた。 「おん……むっちゃくちゃ気持ちええ」 サタは満足そうに微笑む。 「そっか、僕うれしい」 キオはそう言うてサタの背中に腕を回して強く抱きしめた。

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