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第18話

事情後の始末を終え、スヤスヤと眠るキオの穏やかな顔に安心する。 最初は激しめにしようとしたものの、結局は壊れやすい物を扱うように丁寧に優しくしてもうた。 俺の欲望の為やったはずやけど、 だんだん惚けてくキオの顔が 苦しそうに俺を呼ぶキオの声が 時に荒く、時に力なく吐くキオの息が そして ギュッと俺に掴まり、触れあった肌の温もりが 俺をたまらなくさせた。 はだけたままのキオの鎖骨に赤い花が咲いとるのを見て、キオが言うた言葉を思い出す。 『愛なんかいらん……そんなんなくたって生きてこれる』 その言葉はキオの今までの人生を表した一言でもあり、俺がその観念を覆せんかったことを物語っていた。 「ごめんな、キオ」 そう呟いて見えないように引っ張ってやり、そっと抱きしめた。 「………兄ちゃん」 少しこもった声が聞こえて、そっと離れた。 「起こしてもうた?」 「ううん、自然に目が覚めた」 そう言うてキオはふわっと笑った。 「しんどないか?」 「大丈夫、逆にスッキリしたぁ」 そう言うキオにそうか、良かったと返す。 「のど渇いたやろ? 何飲みたいか言うて……買ってきたる」 なにげなくキオのほっぺたをさすりながらそう言うと、キュッとその手を握られた。 「もうええよ……大丈夫やから」 真剣な顔でそう言うたキオは最初に会った時に戻ってもうた感じがした。 「あっ、そろそろタイムリミットやねぇ……お疲れ様、兄ちゃん」 じゃあガウン変えてくるなぁと言うて、キオはベッドから降りていった。

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