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第4話

「あっ、ふ…、ぅ、」 ようやく唇が離れると呼吸困難な俺は、思い切り息を吸い込む。少しずつ過呼吸気味だった呼吸も安定してきて、まともに息が吸えるようになった。しかし崩れ落ちそうになった身体はもう既にがくがくで、自らの力で立つことは難しい。 「いいですよ、無理しないで。運ぶって言ったでしょう?」 「…悪い」 すぐさま俺が立てないことに気づいた遼河は、俺を姫抱きにしてベッドまで向かった。流石の姫抱きは抵抗しようと思ったが、今の自分ではどうもならないと悟り諦めた。 ベッドに転がされると、その縁に腰かける遼河を見上げた。先程と同じように柔らかな笑顔を浮かべる姿は、やはり反則だ。いとも簡単に体を委ねたくなってしまう。 「可愛いです。もっと、可愛い姿見せてください」 そんな風にいつも弄ぶような事言って、俺に無駄な期待をさせる。本当に天然の小悪魔だ。 遼河は手の位置を俺の顔の横に置き直すと、もう片方の手でシャツのボタンを外してきた。一つボタンが外れる事に緊張感が張りつめてくる。胸の高まりも最大まで達した時、シャツが脱がされた。インドア派の白肌が、遼河の手によって撫でられていく。胸の突起の周りを、焦らすようにくるくると指先で弄る姿は、更に快感を与える。そして遼河の頭が胸に向かっておりてきた。髪の毛が肌に触れた瞬間、もう片方の突起に小さな刺激が与えられた。甘噛みだ。まだ完全に勃っていない胸の突起だが、遼河からしたらもう噛めるほどだったのだろうか。 「あっ、」 気づけばもう片方の焦らしていた方の突起にも、指先が触れている。指の腹でなでるようなソフトタッチは、先程の口付けのように荒々しいものとは正反対で、とても紳士的な愛撫だ。左右の突起を同時に攻められては、次第に快感も大きくなってきていく。それと同時進行で突起もぷっくりと紅く実を実らせ、唇を歯を欲している。早く舐めてくれ、噛んでくれ。欲望が形となって現れている。 「要斗さん、上弄っただけで顔とろとろですよ?」 「うるっ、さっ、」 指摘されては、とろとろだという顔をさらに真っ赤にさせて睨みつけた。しかし、否定はしない。自分でも自覚済みのことだ。遼河との行為時は毎回こうなるからだ。正直、遼河のテクは凄い。 今でさえも前の方で焦らされただけあって、胸だけでも快感の嵐だ。この後に下も後ろも攻められると思うと、背筋になにかがゾワッと走っていくのを感じる。 「要斗さん、まだまだこれからですよ?覚悟しておいてください」 艶やかに笑うその顔は、俺の欲までも奮い立たせるほどの色気があった。

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