俺のねだり方がよかったのか、遼河はにいっと口元を歪めれば自身をあてがい即座に中へと進めてきた。興奮もピーク、早く快感を得たいだろうに。俺の身体を気遣いゆっくりと押し広げながら中に入ってくる遼河の自身には、普段よりも感じてしまいそうだ。 「は、るかっ、んっあ、っふ、」 「なんですかっ、？要斗さん」 名前を呼ぶ俺のかすれ声を聞き逃さなかった遼河は、額に汗を伝わせながら名前を呼び返す。この少し余裕がなくなり始める瞬間の顔が好きだ。 「好きだっ、もっと、奥で感じさせてっ、」 本能的に出た俺の言葉には、遼河は勿論俺まで驚いてしまった。思ってもいないことが口から出るのは、しかも無意識のうちには発せられているのは初めてだった。 「それは反則ですよ、っ」 目を細めた遼河は俺の腰を固定して勢い良く自身を奥まで打ち付けてきた。奥に自身が当たると強い快感に背を反らしビクビクと体が震える。食いしばった歯の口端から垂れる唾液は頬を伝いシーツを濡らした。見開かれた目は閉じることなく焦点を定めないまま宙を彷徨う。 「いいですね、その表情。もっと欲しくなるっ」 興奮を詰め込んだ表情でこちらを色っぽく見つめる遼河は、色気そのものだ。熱く揺れる瞳は見つめられるだけで胸の全てを射止められてしまいそうだ。 「あっ、ふか、いっ、ふあっ、はあんっ、」 まるで女のように善がり喘ぐ。そんな自分の姿は遼河以外には見せられない、密談の姿。甘く酔いしれる頭が、もっともっとと快感をねだる。ビリビリと痺れる身体は中を締め付け遼河の自身を咥え込む。 「可愛いです、要斗さん。もっと見せてください」 額から溢れる汗が頬を伝い俺の胸元に落ちる。そこからじんわりと広がる汗は、それだけでも快感へと変わってしまう。もうまともな意識などなくほぼほぼ感覚で動いているようなものだ。しかし遼河の声だけははっきりと聞こえる。どうもおかしい。熱く吐息を吐き出す姿を見ると自分がそうさせているんだ、という支配感が生まれる。 「あっ、ああ、もっ、やば、いっ」 込み上げてくる射精感に肩をふるりと震わせると、相手の首に腕を回し思わず抱きついてしまった。その衝動で中がさらに締まり、相手にとっては動きずらい状況だろう。しかし遼河は、俺の頭をしっかりと撫で腰を支えながら、律動を繰り返す。 そして、遼河も限界が近くなってきたのか、中にある自身の質量がます。そろそろイく。そう感じ取り遼河は素早く自身を中から引き抜いた。