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08(R18)
横たえた彩斗の身体は細くしなやかで、散った黒髪の下からはアンダーカラーの鮮やかな青色の髪が覗く。
縛り上げた手の爪が赤いマニキュアで彩られていて、その色彩がますますカラスアゲハを連想させた。
「彩斗、キレイだ。好きだ。ごめんな、こんなこと言われても困るよな、男だし、でもずっと好きだった。ごめん」
今まで塞き止めていた言葉が決壊したダムのように溢れ出す。
「たく、や?」
苦しそうに眉間にシワを寄せる表情が艶っぽい。
拓也は彩斗の髪、額、頬にキスをしていくが、唇には出来なかった。
力なく開いた彩斗の唇は扇情的だったが、幼い頃の思い出が汚れてしまいそうだったから。
長い首筋につうっと舌を這わせる。
「ひ……あっ……!」
「彩斗、可愛いよ」
「はな、せ……っ!」
「離したら、逃げるだろう?」
彩斗のTシャツをまくりあげ、胸の飾りに軽く歯を立てる。
「んあっ!……ぁあ!」
「気持ちいい?じゃあこっちも……」
「……ひゃっ……あぅ……も、やめっ……」
「やめない。だれにも、やらない……」
白い腹に吸い付き、赤い花を無数に咲かせていく。
意識がはっきりしてきたのか、彩斗は身をよじり、ベッドヘッドをガタガタと揺らす。
その姿が拓也の嗜虐心を益々刺激した。
臍の窪みに舌を突っ込みながら、彩斗のベルトを抜き取り、下着を下げ、緩く立ち上がったものを取り出す。
拓也はそれを愛しそうに裏筋をねっとりと舐め上げた。
「あっあっ、たくや、やめろよ、汚ないからっ!」
その言葉を無視して、全体を口に含むと彩斗の腰がビクビクと震えた。
象徴は益々固さを増し、汗と彩斗自身の甘い香りが口に広がる。
「んっんっ!は、うっ……ふ、ぅあっああっ!!」
強く吸い上げるとあっという間に絶頂に達した。
彩斗の残滓を舌の上で味わって飲み下す。
「……はぁ、はぁ」
薄い胸を上下させて荒い息を吐く彩斗の衣服を完全に取り去って、膝を割り開き、力の抜けた蕾をワセリンを纏った指で解していく。
「あ、あ"ぁ!う"……い、たい、ぬいて……!!」
怯える表情ですら、今の拓也を煽る材料にしかならない。
「彩斗ごめん、好きになって、ごめんな」
謝罪をしながらも手は止まらない。
「おい!話を、聞けよ……ひぁっ!」
「ああ、ここがイイんだな……」
ある箇所を攻め立てると、力を無くした彩斗の自身が再度立ち上がる。
拓也はベルトを外して、反り返った男根を小さな蕾にあてがい、一気に突き立てた。
「ーーーーーっ!!」
「……くっ!」
彩斗はあまりの衝撃に声をあげることも、呼吸すらままならず、口をはくはくとさせている。
見開かれた目からは大粒の涙が零れていた。
あまりの締め付けに、拓也は達しそうになるのをなんとか絶える。
「あや、と、力抜けっ」
「……あ、あ"、む、りぃ………」
「ほら、息を吐いて、ゆっくり」
「ふ、う、はぁ、う、んんっ!」
落ち着かせるように髪を撫でると、彩斗は甘えるように顔を寄せた。
それに拓也は我慢できなくなり、乱暴に律動を始める。
「ぁん!あっ!あっ!ぅあっ……!!」
「彩斗、彩斗、あやちゃん!」
「あっふぁっ!あぁああ…………っ!!」
拓也は彩斗の中に精を吐き出す瞬間、カラスアゲハに虫ピンを刺した時のことを思い出していた。
ああ、捕らえてしまった。
本当は、自由に飛んでいる姿が好きだったのに……。
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