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第4話『おこらせた?』
絋が彼女を教えろと迫ってきた日の昼休み。
クラスの女の子が「仲上くんが、昼休みになったら図書室前までに来てっていってたよ~」
なんて言ってくるものだから、僕は弁当を持って移動の準備をする。
「あれっ?とおるどっか行くの?飯は?」
「あー、ごめん絋。
ちょっと図書室に用があって……」
「まじ?じゃあ俺も一緒にいくー!」
んーまぁ、そんな大事な用でもないだろうし……
「いーよ!いこ!」
僕と絋はそれぞれ弁当を持って図書室に向かい、階段を上りきる頃には話に花を咲かせて盛り上がっていた。
「……あ、潤くん!お待たせ~」
「!とおるく………………。
……どうして榊原くんもいるの??」
…じゅ、潤くん顔、怖い……。
僕は思わず絋のシャツの袖を握った。
「……榊原くん。悪いけど俺、とおるくんに話があってさ。今は二人だけにしてほしんだ。」
「はぁ?…………とおる、このイケメン野郎と約束してたのか?」
約束……はしてないけど、来てって言われたしな…………。とりあえず僕はコクリと頷いた。
「とおるが約束したって言うなら…。
……ま、いいか。話に夢中になりすぎて、昼めし食べ損ねるなよ!じゃあな~!」
なんて言いながら絋は教室の方へ戻っていった。
ーーーー僕はというと。
潤くんに「ちょっと来て」と言われて引っ張られながらも奥にある多目的室へと移動した。
教室に入ってからも潤くんは怖い顔をしていた
……何か言わなきゃだよね…。
「じゅ、潤くん…。怒っ…てる?
僕、何かしちゃったかな……」
いまだに怖い顔をしている潤くんを見上げながらなんとか口を開いた。
「とおるくん。俺さ、浮気とか大っ嫌いなんだよね。ほんとう、やめてよ……他の奴にベタベタ触らせたりするの。お昼誘おうと思って空き時間に会いに行ったのに。なんで他の奴とイチャイチャしてるの……しかもあの榊原って奴、距離近すぎだよ。
俺…心配になる…………。」
潤くんの声は
最初はハキハキと、怖い位の言い方だったのに…終わるにつれて徐々に口調が弱くなっていった気がした。
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