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第6話『何で知ってるの⁉』
ガラガラッ。
「おはよー」
僕はいつものようにクラスのみんなに挨拶をしたけど、みんなから帰って来たのは挨拶じゃなくて、質問の嵐だった。
「ちょっと、とおるくんってあの仲上くんと付き合ってたの!!??」
「で、で、どっちから告ったの??
まぁ、そこはとおるからかぁ」
「…ショックだけど相手がとおるならいいかぁ」
「なんか困ったら私達にいいなよね!」
女の子達は楽しそうにはしゃいでいた。
僕としては、バレたのにこんな風に接してきてくれて嬉しかった。
「まぁじか……俺らの癒しのとおるが誰かの、ましてやあのイケメンのものになるなんて…………」
男子に関しては、⬆なんて言っちゃう変な奴もいれば、
「とおる、なんかされたら俺たちの所に!」
「まぁうちの学校じゃ、ホモなんてそんな珍しい訳じゃねぇしな。
楽しめよ?あのイケメンと付き合ったんだ、弱味でも握っとけ!」
なんて言ってくる奴もいる。
そう、うちの学校じゃ珍しい訳じゃない。
保健の先生がそっちの人で、彼氏もち。
バレた時は、最初こそ保護者から沢山の電話やメール等が届いたらしいが……何せ、先生は生徒から絶大の信頼があったので、少しすれば保護者からの連絡が来ることはなくなった。
「そっか……なんか安心したぁ。みんなに距離置かれちゃったらどうしようかと……。」
涙目になっていたら、後ろから声がかけられた。
「とおるくん、どうしたの?何で泣いてるの?」
「あ、潤くん」
ハンカチで涙をぬぐって「ちょっと嬉しい事があってね?」と返していると、今度は絋の声が上からふってきた。
「おぉ、ほんとにこのイケメンと付き合ってんだな!」
「絋!そうなの……ごめんね?この間ちゃんと言えなくて…。」
前に教えられなかったのを謝罪していると
「…なに、俺達が付き合ってるって他の人達に言ってなかったの?」
と、潤くんが驚いていた。
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