7 / 11

第7話『心配』

「え、うん。言わない方がいいと思って。」 潤くんの瞳が少し揺らいだように見えた。 あ、何か良くないこと言っちゃったかも…… どうしよ……昨日嫌な気持ちにさせないって約束したのに。 「俺のことみんなに言いたくなかった?」 予想に反して潤くんはハハッって軽く笑っただけだった。 けど、それは。 やっぱり作り笑いに過ぎなかったんだけど。 「やー!イケメンにそんな簡単にニコニコされると心臓がもたないわ‼‼」 「ハァッ……写メとっとけばよかったね」 なんて、女子は盛り上がっていた。 僕は僕で潤くんのことでハラハラしながら 「じゅ、潤くん。お昼休み、そっちのクラスまで行ってもいい?」と聞いたら 「ん?いーよ?じゃあ教室でまっとくね。」 って返してくれた。 よかった、これでゆっくりお話しできる…… 「おい!そこのバカップル!HR始まるぞ!」 絋が席でくつろぎながらこっちに叫んだ。 「わ、わかってる!声がでかいんだよ!もう。 …あっ!じゃあね、潤くん。また昼休みにね!」 「うん、また後でね」 ガヤガヤとみんなはそれぞれの席に着いていった。

ともだちにシェアしよう!