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「嫉妬」11
ドアを叩くノックの音と共に「入るぞ」と不機嫌な声が聞こえ、僕たちは慌てて距離を取る。
「お前たち……そこで何してるんだ?」
部屋の隅で二人して、座り込んでいる様子を疑問に感じない人間はいないだろう。例にもれず、泰明も訝しげな表情でこちらを見ていた。
「や、泰明……なんで、どうしたの?」
突然現れた泰明に、僕は驚いてしどろもどろになってしまう。
「お前、最近連絡すら寄こさなくなったから、ちゃんとしてるのか心配で様子を見に来ただけだ」
「まさに先輩の保護者って感じですね」
神近くんは立ち上がると、膝についたホコリを払う。どこか小ばかにしたような言葉に対して、泰明の表情がみるみる険しいものへと変わっていく。
「か、神近くん!」
僕が慌てて諫めると、神近くんが僕の腕を引いて立ち上がらせてくれる。手を差し出してほしくて名前を呼んだんじゃないのに、と僕は思いつつも「あ、ありがとう」と言ってしまう。
「なんでそんなところに二人して座り込んでたんだ?」
泰明は不機嫌そうに、こちらに近づき対峙した。まるでちゃんと答えを言うまで帰さない、といったような威圧感が漂ってくる。
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