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「計画」5

「それならなおさら、言い切れないことじゃないですか。なんの確証を持って先輩はそう思うんですか?」 「確証なんてない。泰明とは一年以上一緒にいるけど、神近くんと違ってキスしてきたりしないから」  僕はそっぽを向いて素っ気なく言い放つ。キスは何度もしてきたくせに、好きとは言わないなんて訳が分からない。 「なんで拗ねてるんですか?」 「拗ねてない」 「拗ねてるじゃないですか。バレバレですから」  神近くんの深い溜息が聞こえ、僕は思わず顔を顰める。こんな事で拗ねてるなんてまるで女子みたいじゃないかと今更ながら気づき、居たたまれなくなった。 「……とにかく、泰明にちゃんと言うから」  僕はそう言うなり、泰明に会える日はないかと連絡を入れる。 「へぇー、先輩って意外と行動的ですよね」  神近くんが目を細めて口角を緩く上げた。 「そうだよ。先輩だもん」 「それ、関係ありますか?」  神近くんの言葉を僕はスルーする。すぐさまスマホが震え、泰明から「いつでも大丈夫」という返答が届いた。 「返事早い……」  まるで待っていたかのような素早さに、さすがに驚いてしまう。何かあったら連絡しろと言って来たけど、まさか構えていたのだろうか。

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