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「計画」7
「やめてよ! 泰明を生き霊扱いするのさぁ」
「先輩。生き霊って、祓って本体にもどったときに無事じゃ済まない場合もあるんですよ」
「えっ、どういうこと?」
僕は驚いて神近くんを穴が開きそうなぐらい見つめる。
「生き霊ってある意味呪いみたいなものなんで。知らず知らずとはいえ、相手の気力や体力を奪っているんです。人を呪わば穴二つと言うじゃないですか」
神近くんの言う事は分からなくもない。確かに、丑の刻参りで見つかると自分に呪いがかかるともよく聞く。でもまさか、生き霊までそういう扱いになるとは思っても見なかった。
「どうしたら良いの?」
「どうするもこうするも、きっぱり諦めてもらうしかないですね」
神近くんは横目で僕を見た。人の感情なんてそう簡単に変えられるものじゃない。もし本当に、泰明が僕に好意あって今まで世話を焼いていたのだとしたら……
「まぁー、よっぽどじゃなきゃ飛ばせないんで大丈夫ですよ。ついたとしても俺が祓えばいいことですし。無事で返す保証は出来ませんが」
「それは困るよ……」
どっちに転んでも泰明に被害が及ぶだろう。でも僕としてはそれは避けたい事だ。
「先輩って恋愛経験乏しそうですもんね。全く傷つかない恋愛なんてないんですからね」
諭すような口調で神近くんが言ってのけた。
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