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「計画」14

「でも神近くんは本当に見えるんだよ」 「幻覚とか思い込みとかじゃないの……その友達、あんたと一緒でそういうのが好きなだけで」  僕は返す言葉が見つからず俯いた。見えないものをそこにあると証明するのはどう考えても無理だ。 「その子……ちゃんと友達とかいるのかしらね……もしかしたら寂しくてそんなこと言って、気を引こうと考えてるのかしら」  哀れみ始めた母に、僕は居たたまれない気持ちになった。僕だって見えないし、母がそうやって疑うのも分かる。あの泰明だって、神近くんの事を疑るような発言をしたのだから…… 「まぁーあんたは単純なところがあるから、その子も仲良くなりやすいと思ったのかもしれないわね。お家にお邪魔するんだったら、ちゃんと手土産ぐらい買っていきなさいよ」  母はそう言って視線をテレビに戻してしまう。これ以上言い訳や否定を重ねたところで無意味だろう。何より僕が神近くんを信じてあげればいいだけの事だ。たとえ嘘だったとしても、僕は神近くんが好きだし笑って済ませてあげたい。  僕はそう心に決めると、荷物をまとめに自分の部屋に向かった。

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