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「計画」20

「……本当なのか?」  泰明の戸惑うような問いかけに、僕は小さく頷く。 「……そうか」  ちらりと泰明を見やると、腕を組んで険しい顔で目を閉じている。 「急でごめん。昨日、言っておけば良かったんだけど……言えなくて」 「お前が言えないのも無理はない」  泰明が深い溜め息を吐くと、「正直、戸惑っている」と言って黙り込んでしまう。 「だよね……ごめん……」  僕は謝ることしか出来ず、かと言って神近くんの手前で迂闊な事は口には出来なかった。  二人の沈黙にしびれを切らしたのか神近くんが「もう良いですか?」と言って腰を上げる。 「いつまでもそうしてたって、無駄に時間が過ぎるだけですから」  神近くんが扉に向かって歩くと、僕達に早く出るような視線を向けてきた。 「……なんでコイツなんだ?」 「えっ?」 「コイツなんかの何処が良いのか……やっぱり俺には納得が出来ない」  泰明が本人を前に、そんな事を切り出すなんて異例の自体だった。驚きのあまり僕は唖然として、泰明を見上げる。 「そんなこと、鐘島先輩が知ったところでどうするんですか?」  神近くんの呆れたような物言いに、泰明が眉根を寄せて奥歯を噛み締めた。

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