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「計画」26

「僕も何か神近くんに、してあげられれば良いんだけど」  食事を終えて洗い物をしていた僕はぽつりと零す。終わるまでテレビでも見ていればいいのに、神近くんは見張りと称して僕の背後にペッタリとくっついていた。 「別に見返りは求めてません。先輩が律儀な性格なのは分かりますが、俺が好きでやってることなんで」  僕の肩口で顔を埋めている神近くんが、淡々とした口調で述べた。 「いつもそうやって素直だったら、可愛げがあるのにね」  苦笑い混じりに本音を漏らす。神近くんはこう見えてちゃんと甘えられるのだから、ツンケンしてなければ友達だって沢山出来るはずだ。  僕の言動に気を障ったのか、神近くんは無言のまま僕のお腹のところで組んでいた腕を解いてしまう。名残惜しく思っていると、神近くんの手が僕のシャツの中に潜り込み、さわさわとお腹を撫でていく。 「ちょっ、神近くん!」  抗議の声を上げるも、掌がどんどん上がってきて今度は僕の胸を撫でまわしていく。無言の抗議に対して、抵抗しようにも両手が塞がっていてそうもいかない。 「んっ……茶碗割っちゃうよ」 「割ったら倍にして返してください」  耳元で含み笑い交じりの声で囁かれ、神近くんを横目で睨む。 「ほらっ、手が止まってます。早く洗ってください」  後は洗剤を流すだけとなった食器を僕は手に取り、蛇口を上げる。もぞもぞと動く指先が、胸の突起に触れて危うく皿を落としそうになった。

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