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第8話
デニムとパンツを脱いで、心もとなくなった下半身を手で隠した。幸司の持つ懐中電灯で照らされ、笑っていいのか、いや笑う場面でもないよなと複雑な気持ちになる。
幸司は俺を見ると、くしゃっと笑った。俺と違い、裏表がなさそうなところも眩しく感じていたなぁと思い出す。
「慎は難しいことは何も考えなくていいよ。目ぇつぶって、好きな女のことでも想像しておいて。なんなら、高校の時の彼女でもいいし」
そう言って幸司は感触のない手で俺のまぶたを覆った。早くつぶれということらしい。
目をつぶると、天も地もわからなくなるほどの暗闇が訪れた。
「幸司、いる?」
急に不安になって問いかけると、柔らかい声が返ってきた。
「いるよ。萎えたら嫌だから声は出さないけど、ちゃんとここにいる」
「満足しても、朝までは成仏しない?」
「一人にしたら怖がらせるってわかってるのに、成仏するかよ。大丈夫、朝になるまでは側にいる。だから、慎が気持ちよくなってるとこ、見せて?」
幸司に促され、まだ柔らかいままの下半身を手で刺激した。何かオカズになりそうなものを頭の中で探してみるものの、何も浮かんでこない。
やっぱり無理だと伝えるため目を開けると、幸司は息が漏れないよう必死に口元を腕で押さえていた。片手は自らの下半身を握っている。涙で揺らいだ熱っぽい目が、俺のことを好きだと物語っていた。
「なんつー顔して、俺のこと見てんの」
「うぇっ? 目、つぶってていいって言ったじゃん。いいから、大人しく閉じててよ」
幸司が慌てて隠そうとした下半身は、すでに立派に勃ち上がっていた。
「別に、隠さなくてもいいよ」
オナニーしてるところを見られるのと、オナニーしてるところを見られた上にオカズにされるのだと、もはや大して変わりはない。
「満足できるなら、さっきの続き、していいよ。成仏し損なったら俺もやり損だし」
「マジで見ながら抜いていいの?」
「うん」
「本当の本当に?」
押し問答を繰り返しながらも下半身は萎えてないんだから、呆れて頭が痛くなってきた。
「これ以上確認するなら、嫌だって言うよ。見られるの自体、本当は抵抗あるんだから」
「ごめん。……じゃ、もう一回、目つぶって」
幸司に言われて、目を閉じる。下を擦ると、高校時代の彼女より、俺を見て興奮していた幸司の顔が先に浮かんできた。
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