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第7話

─────ピンポーン…… ………どこか遠くで、音が鳴ってる…… ………また、夢を、見ているのか…… ──────ピンポーン…… ………ああ、頭が割れそうだ……もうほっといてくれ…… ………もうしばらく、夢を見てたいんだ…… ──────ピンポーン…… ………今度ははっきりと音が聞こえた。 「………うー……あー……なんだ…?夢じゃないのか…?」 ──────ピンポーン! 眠りから覚醒してみると、さっきから頭の中にまで響いていた音はインターホンの呼び出し音だった。 何度も何度もしつこく鳴っている。 「───はーい!今出ます!」 大きな声で返事をすると、頭がずきずき痛んだ。 くそ!こんなにしつこいって誰だよ。長谷川か? そういえば、見舞いに来るって言ってた気がする。見舞いより寝かしてくれたほうが助かるんだが…… 「───はーい、どちらさ……」 だるい体を引きずり、ドアを開けて外を見ると……そこで、声を失ってしまった。 あれ? 目は覚めているはずだったが……? じゃあ、目の前のこれは何だ? 「───こんばんは……ひさしぶり、先輩……」 そこには、2年前とちっとも変らない姿で、葵が立っていた。

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