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第26話

こうして俺たちの2年ぶりのセックスは無事終了した…… ……なんてことはなく。 かわいい姿を見せられて煽られまくった俺は、その後も葵を上にのせたり……後ろから攻めたり……やっぱり正面からかわいがったり……で、結局葵が意識をとばすまで、その甘い身体を堪能し尽したのだった。 ネクタイを締めて、スーツの上を羽織ると、ベッドの上のかわいい恋人がもぞもぞと動いた。 「───葵、起きたのか?」 声をかけると、ぼんやりと焦点の合っていない目で俺を見つめる。 苦笑して頬にキスをしてやると、ぽっと赤くなって目が覚めた。 「おはよう」 「……おはよう、ございます」 挨拶を返しながら毛布をしっかりと握りしめて恥ずかしそうに身体を隠す。 今さら恥ずかしがること、ないのにな……昨日はもっと恥ずかしいこと、いろいろしたんだし。 「起きてすぐで悪いけど、そろそろ俺、電車の時間だ。コンビニおにぎりで悪いけど、置いてあるから食べろよ」 「うん……ありがと」 そう言って、嬉しそうに笑う。 こういうとき手作りの朝食でも出せたらかっこいいのだろうが、あいにく俺は料理がからっきしだ。 「すぐは起きれないだろ?そのまま寝てていいから。帰るときはこの鍵を使えよ」 一つだけ持っているスペアキー。ずっと引き出しにしまっていたから、鍵本体だけ。キーホルダーすらつけてないやつ。それをこたつの上、おにぎりの横に置くと… 「……うん……帰るときに、使うね…」 返事をした葵は、何故か寂しそうだった。 ……何だよ。 何かまた、我慢してるふうだぞ……何だ?何だ? 悩んでいるうちに、するっと身体を丸くして、葵が毛布に隠れてしまった。 ……何だ?何だ? 毛布の上から、頭があるだろう場所を撫でていると……ふいに、ひらめいた。 「───お前さ……今日休みなんだろ…?じゃあ、一日ここにいろよ。んで、今日も一緒に夕飯食おうぜ」 すると……ぴょこっと毛布から、かわいい生き物が顔を出した。 あーあ、もぐってたから、鼻、赤くなってるし。 ……もう少し、一緒にいたかったんだろ? それは俺も同じだよ。 「……………ここにいて、いいの?」 「いいよ。何もないけど、それでもよければ」 俺の返事を聞いて、葵は嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。 あー、やっぱりかわいい。仕事行きたくねーなー…… でも、俺だって立派な社会人だからな。そういうわけにもいかなくて… 「───じゃあ、行ってくる」 「うん……いってらっしゃい」 ベッドから出て見送ろうとする葵を押しとどめて、玄関のドアを開けた。 名残惜しいけど、まあいいか。今日はドアを開けたら「おかえりなさい」が言ってもらえるし。 さーて、夕飯は何を一緒に食べようかな…… 俺は葵に内緒でこっそり借りたマフラーを巻くと、駅に向かって歩き出した。 end

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