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第39話

葵は食べてもなかなか肉がつかないタイプで、どこもかしこも細いのだが、内腿は割と柔らかくて肌もすべすべだ。手触りが良くて何度も何度も撫でていると… 「もっ、先輩!さわっ…るなら、ちゃんとっ……ふぁっ……」 きわどいところは触るのに、直接的なところには触らない……それがどうにももどかしいらしい。 口唇をかみしめて刺激をやり過ごそうとしてる。胸をいじっていた手も気づけばおろそかになっているし。 あー、これはだめだなあ……ちゃんと乳首をいじってないから、お仕置きだな。 「触るって、どこを?……どこを触ってほしいの?」 「……え?………あの…………ア、ソコ…?」 「え?どこか分からないなー。ちゃんとはっきり言ってくれないとな」 「……っ!!」 俺のいじわるな言葉を聞いて、葵は息をのんだ。目にはまたじわじわと涙をため、顔はますます真っ赤になる。 ちょっとかわいそうな気もしたけれど、まあしかたない。これはお仕置きなんだから。 しばらくもじもじしたかと思うと… 「……ひぃっく……ひぃっ……い…いじわるぅ……」 とうとう顔を隠して、しゃくりあげるように泣き始めてしまった。 あー、しまった……やりすぎたか。 よしよしと頭を撫でてやって、なだめるために頬にキスをしようとしたとたん、葵がぎゅうと首に腕を絡めて抱きついてきた。 『ごめんごめん、もういいよ』と言ってやるつもりだったが、それを言う前に、葵が耳もとで囁いた。 「……………ん……………って……」 「え?……今なんて言った?」 かすれてしまうくらいの小さな声で……いじわるのつもりではなく本気で訊きかえしたら、首にしがみついていた葵の腕がぎゅうっとますます力をこめた。 「いててっ、悪りぃ悪りぃ……もう一回言ってみてよ」 今度はちゃんと聞くからさ。 すると葵はさっきより口唇を俺の耳もとに寄せると、もう一度囁くような声で言った。 「……………僕の……お、ち、んちん……触って……」 「……………っ!」 鼻血、出るかと思った。 自分で言わせておきながら、あまりの卑猥さに、くらりとした。

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