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第44話
………くちゅっ…くちゅり……くちゅくちゅ……
「……あっ……ああ…んっ………そこっ……そこだめぇ……」
葵は自ら敷いた大きめのバスタオルの上で、身体を淫らにくねらせながら甘い声をあげている。
静まり返った部屋の中には、その嬌声と、ローションと先走りの混じった液が立てる濡れそぼった音が満ちていて、それだけでイきそうになるのを、俺は必死でこらえてる。
当然のように浴衣は着たままで裾を腰のあたりまでめくりあげ、左右に開いてやった滑らかな脚の間には俺の身体。少しずつ慣らしながら拡げていった孔はすでに俺の指を3本も飲み込み、すっかり蕩けきっている。
その奥のコリコリとした部分を指でこするたび、葵の身体は跳ね、ますます声を上げた。
さっきは一人でイったから、今度は一緒に。そう思って葵の根元を掴んでいるが、先走りは止まることなくだらだらと流れ続けている。
持ち込みのタオルのおかげでゴムをつけずにすんだ葵のモノは、前立腺を刺激するたびにふるふると震え、どうやらそろそろ限界のようだ。
「葵」
うながすように名前を呼んでやると、焦点の定まらない目が、それでも何とか俺を探して見つめ返してくる。
「……もっ……むりぃ……イき、たい……イきたぁい……」
うるうるした瞳で俺にねだってくるが、それではまだ不十分だ。
かわいらしい孔を蹂躙していた指を全部抜き去ると、ぬめぬめとしたそこはもっと塞いでいてほしかったのか、くぱくぱと閉じたり開いたりを繰り返す。
さらに追い詰めるように葵のモノを握っていた手を動かそうとすると、「ダメっ!」と切羽詰まった声がした。
「……手じゃ、やだ……やだぁ………挿れてっ……挿れてぇ…!」
……よし、合格。
力の入らない葵の身体を起こしてうつぶせにし、腰を高く持ち上げると、ゴムをつけた俺のペニスを一気に孔へと押し込んだ。
「ああああああああああ!!!」
身体を固いモノに貫かれる衝撃に、葵はそれまでより大きな声を上げ身体を震わせた。
とっさに葵の陰茎を握るとびくびくと震え、射精はまぬがれたようだが、その代わり軽くイったようだ……それまでとは違う震えを起こし、葵の孔はぎゅっと俺のモノを締め付けてきた。
気をやると俺もイってしまいそうになって、くっとこらえて射精感をやりすごす。
一瞬意識が飛んだのか、葵の口もとからたらりと唾液が伝い……顎に手をかけて後ろを向かせると、その滴を舐めとってやった。
すると葵は、閉じていた瞳を少し開いて「…キス…して…」と強請ってきた。
その口唇にかぶりつくと、葵も自分の舌を絡ませてくる。いつもだったら恥ずかしそうにするところだが、まだ意識がはっきりしていないのかもしれない。目を開いたままお互いに見つめ合ってのキスを堪能した。
息が上がってきたところで口唇を離すと、葵は身体をぐったりと布団の上に投げ出す。
俺は俺でもう一度姿勢を起こすと、葵のほっそりとした腰を両手で掴み、
「あんっ!」
もう一度自分のモノを孔の奥に押し込んだ。
そのまま出口ぎりぎりまで引き抜き、また奥まで押し込む。何度も何度も、角度やリズムを変えながら葵の身体を堪能する。
「あっ…ひゃっ……あんっ…だ、めぇ……」
吐息の混じったような葵の悲鳴は、俺を止めるどころか腰の動きを加速させていく。
あー……気持ちいい……
マジで気持ちいい……
葵と出会う前は、俺だって女の子と付き合ったこともあったし、何度かセックスだってした。
葵と比べたら女の身体は柔らかいし、セックスするまでにたくさんの準備をする必要なんてない。気楽に身体を重ねることができるのは確かだ。
……だけど、今さら他のやつなんて抱けやしない。こんなに可愛くて、どこもかしこも甘くて、愛しいと思わせるやつなんていない。
「………せ……ぱい………ま……から………ぎゅ………して……」
もう手放すなんて、絶対できない。
こんなに俺を昂ぶらせてくれるやつなんて、他にいないんだ。
葵……葵……
好きだ……好きなんだ……
もう、どこにも行くな……
「………うし………や…………せ…ん…………せ……ぱい………ぎゅっ………」
ああ、だめだ……もうもたない……
「………葵、イク……イクぞ………はっ、一緒…に……イこう……」
もう限界だ。
俺は葵の腰をもう一度しっかりとつかみ直すと、さっきよりも激しく奥に向かって腰を打ちつける。
……ぱん、ぱん、ぱん、ぱんっ!
「………まっ……て………せん……ぱ、あああああ!!!」
葵がひときわ大きな声を上げたころ、俺も孔の一番奥へ自分のモノを打ちつけ、そのままゴムの中へと欲情を吐き出したのだった。
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