「………先輩、しよ？」 すっかり勃ち上がってしまった俺のモノを不憫にでも思ったのか、葵が勧めてくる。が、そういうわけにはいかないだろ。 ついさっき『一緒がいい』なんてエラソーに言ったくせに。舌の根も乾かないうちにさかってるって、ダメだろ、俺。 うー……我慢だ、我慢。 「いいよ、このままで。もう少しくっついてよーぜ」 「でも……」 戸惑ったような葵の声に苦笑しつつ、もう少し密着できるように、葵の身体をこちらへ引き寄せる。 まあ、何にもしなかったならそのうちおさまるだろう……そんなことを考えながら甘い匂いを堪能していると。 「………先輩、やっぱり…しよ？」 葵がまた気遣ってくる……いいって言ってるのに。 きっぱり断るつもりで口を開いたとき、葵の細い手が俺の手を掴んだ。掴んだ俺の手をそのまま自分の下半身に引き寄せて、恥ずかしそうに囁く。 「………僕も、同じ…だから…」 へ？ 引き寄せられた俺の手の先では、葵のモノがふるっと揺れて勃ち上がっていた。 「……………」 ………あー……なるほどね……お前も同じで…欲しくなったわけか…… 真っ赤になった葵の耳と、自分で掴んだくせに震えている手と、それがとんでもなくかわいくて。 じゃあ、遠慮なく……いただきます。 緩く開いていた葵の唇にかぶりつくと、葵も遠慮なく舌を絡めてきた。まるで自分も欲しかったのだと伝えてくるように。深いキスをしながら、無意識なのか、葵は自分のモノを俺の腹部にぐりぐりとこすりつけてくる。 俺は俺で、葵の柔らかい尻に自分のモノをこすりつけてやる。 直接触っているわけではないから、刺激が緩くて。でも気持ちがいい。 すごく好きなやつが俺の腕の中で、必死にしがみついて快感に悶えてる。そんなシチュエーションがますます俺の脳を沸騰させていく。 「……葵……そこに…落ちてる、ゴム……とれる、か？」 もうそろそろ、中に挿れたい。 だが、そのための道具はさっき、葵が俺に向かって放り投げて。 で、俺は俺で、そのあとバスタオルの端に転がしておいたんだ。そこなら、葵が手を伸ばせばとれる距離だ。 「………あっ……あっ……ちょ…と……待って……」 葵は片手で俺にしがみついたまま、もう片方の手でタオルの上を探す。 手を放して、顔をタオルに向けて取ればそれで済むことなのにそうはせず、俺の身体にくっついたまま必死でゴムを手繰り寄せる。 しかもその間、腰はずっと揺れてて自分のモノをこすりつけ続けてる……って、どんだけ、かわいいんだっ。 ようやくゴムを手にした葵は「とれたっ」と子どもみたいに笑い……俺はそんな葵の顔に我慢ができず、もう一度深いキスをしてやった。