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第5話

「あるよ。ゴム」 「……え?」 目の前でひらひらと揺れているのは、見慣れたいつものアルミのパッケージ……って、いつの間に? 「スウェットのポケットに入れといた。出番があってよかったわ。でも、ローションはさすがに持ってないから…」 先輩の手が僕の後ろから伸びて、調理台へ向かう。 パスタの材料が並んでいる中からオリーブオイルの瓶を手にとると「これが代わりな」と、オイルを手のひらに垂らした。 「えっ!?待って、それ、普通の油だよ!?」 「平気だって。食用なんだから体に害はないだろ」 「そういう問題じゃっ──ひゃ、あんっ!」 オイルをまとった先輩の指が、僕の孔の中につぷりと入り込む。 ローションの代わりではあるけれど、オリーブオイルは潤滑剤としては問題なかったようで… 指は難なく僕のいいところを刺激していく。 「あっ…あん……ん…んっ………そ、こ……」 「ここが、どうだって?」 「そこっ……が………きもち…い……ああっ!」 先輩の指は僕のナカをよく知っていて、的確に愛撫していくから堪らない。 頭の中は快感でいっぱいになって、さっきまでの不安や疑念がすっかり分からなくなっていく……もう、欲しい。 早く先輩のモノを挿れて、おかしくなるくらい突きまくって欲しい。 ぐちゅぐちゅと恥ずかしいくらい卑猥な音が入ってくる耳に、先輩はちゅっと口づけると、甘い声で囁く。 「………そろそろ挿れていいか?お前のナカ、入りたい……」 ……そんなの、断れるわけない。 こくこくと首を縦に振ると、先輩は優しく笑って……今度は頬に口づけて僕の身体から離れた。 コンドームをつけるためって分かってはいるけれど、何だかもどかしくて……思わずお尻を先輩の方に向かって突き出してしまう。 そんな僕の様子に「そう焦るなよ」と苦笑しながら、先輩は僕の腰を両手で掴んだ。同時にぬるっとしたものが僕の孔にあてがわれる。 ……ああ、くる… そう胸が震えると同時に、先輩の熱い怒張が僕のナカに潜り込んできた。 「─────ああああああ!!!」 腰を掴んだ手が強引に僕の身体を引き寄せ、一気に挿し込まれていく。 耐え切れず大きな声を上げてしまったが先輩のモノは止まることなく、容赦なく僕のナカを拓いていく。 目の奥がチカチカする……恐ろしいくらいの快感が僕の身体を蹂躙していく。 「……あー…すげー締まる……やっぱ、お前のナカ、たまんねーわ」 先輩が耳もとで何か言ってるけれど、もうよく分からない。 返事ができないでいると、そのまま先輩の腰が動き始めた。 「……んっ…あっ……いっ、いいっ……あ、あんっ…」 先輩のモノが僕のナカのいいところをこすって、気持ちが良くて仕方がない。 強請れば強請るほど先輩の腰は動いて、僕の尻たぶに当たってはパンパンと音を立てる。 そのどこかいやらしい音が、益々僕の気持ちを高ぶらせていく… 「………葵………気持ち、いい、か…?」 動きを休めることのないまま、先輩が僕に尋ねてくる……そんなの、分かってるくせに。 「……あっ……いいっ……もっ……もっと、は…げしく……」 僕は僕で我慢なんてできなくって、くねくねと腰がいいところを探して動くのを止められない。 ……ああ、なんてあさましいんだろう。 でも、そんなことを気にしてられないくらい、先輩が欲しい。 僕の身体で先輩の気持ちを繋ぎ止められるのだったら、いくらでも淫らにだってなれるんだ。 「あっ、あっ、あー……イクっ、イっちゃうっ!」 せり上がってくる射精感に我慢ができなくなったとき……先輩の身体が僕から離れた。

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