唇を離すと、先輩はますます困った顔になっていた。 「……嫌じゃ、ないのか？」 「嫌じゃないよ。キスするの好きだし」 もう一度、ちゅっと音を立てて触れるだけのキスをする。すると、またまた先輩は困った顔になって……それがかわいくって髪をなでなでしてあげる。 「──顔洗って、うがいしてくる」 「え？──あ、ちょっと待って！もういいの！……さっきのは、先輩を汚してしまうみたいで嫌だっただけ。恥ずかしかったし……」 「……………ごめん」 「でもっ！………気持ち、よかった…から……平気…」 きっと僕のいろんなとこ……舐めたあとだから、気にするって思ったんだと思う。 先輩は先輩のままなんだから、僕は平気なんだけどね。だから、気にしないって分かってもらうために、もう一度キスをした。 「先輩……続き、しよ？」 「……………」 「まだ、二人ともイってないし……それに…」 「………それに…？」 「それに……先輩が中途半端にいじるから…てんうしろ、うずうずするんだもん…」 「お前っ──煽るなよっ！」 先輩は僕をベッドに押し倒すと、噛みつくようなキスをした。舌を絡めて……甘噛みして……お互いを昂らせるようなキス…… 「……んっ…あふぁ…せ、んぱ……も、だめ……我慢、できない……」 「何？もう、イキそうなのか？」 「…あ…ふあ……せ、ぱいの…ちょーだい……」 「え？何？」 「だか、らっ！……せん、ぱい…の、おちんちん……お…しりに…ちょーだいっ！」 「っ！！」 ……もうダメ。我慢できないよぅ…… だって、僕は知ってるんだ。先輩と一つに繋がるって、どういうことか。 どれだけ気持ちよくて、どれだけ幸せなことか…… 欲しい。 先輩のに、貫いて欲しい。頭の中がどうにかなるくらい揺さぶって、どろどろに溶かして欲しい。 僕たち恋人なんだから、先輩を求めることは……わがままじゃないよね？ 「──お前の気持ちは、分かった」 「あ……じゃあ…」 「でもな、無理はさせたくないから――」 「──え？」 先輩は仰向けに転がっていた僕を抱き起こして自分の身体の上にのせると、さっきと同じ上下が逆さになった格好にした。 ……えーと……また、僕のおしりを舐めるの？ 「さっきの続きな」 「……『さっき』……じゃあ、やっぱり……挿れてくれないの？」 「……そんなしょんぼりした声、出すなよ……明日動けなくなったら、困るのはお前だろ？」 「うん……でも…」 「安心しろ。もうアナルを舐めたりしない。今度は、舌で舐めるかわりにさ…」 「『かわり』に？」 「ちゃんと、指でイカせてやるから」 先輩は自分の人差し指と中指を口に含んで唾液をまとわせると、僕の孔につぷりと押し入れた。