「あっ！！」 さっきまで先輩の舌が入り込んでいた部分に、今度は指が入り込む。 確かに舌に比べたら、恥ずかしさは減るかもしれない……減るかもしれないけどっ。 「………あっ……あ……あ……あ……」 「んー？しばらくしてなかったせいか？ちょっときつくなった気がするなあ……痛いか？」 痛くはないけど、最後にしたときと比べたら何だか違和感がある。先輩が触ってくれなければ、誰も触れることなんてない場所だから、もちろん久しぶりだし…… 痛くはないと伝えたくて、後ろは向かないままで首を振ると、先輩は先と同じように僕の太ももを優しく撫でた。さっきと同じなんだけど…… 「──あんっ…」 ぞくりとするような快感が背中を走り抜ける。触れただけなのに、まるで愛撫されたみたい…… 「一応、ローションつけとくか……ちょっと待ってろよ？」 先輩はそう言って手をいっぱい伸ばすと、ベッドサイドからローションを掴んで手のひらに出す。 ……ただでさえ先輩に触られたら気持ちがいいのに、ローションなんて使われたら僕はすぐにダメになっちゃう。 今のうちにと、目の前にそそり立つ先輩のものに手を伸ばした。 さっきと同じようにして根元の辺りを掴みながら、少し身体を回り込ませながら裏スジをねっとりと舐め上げる。さっきとはまた少し違う皮膚の感触を楽しんでいると…… 「ひゃ……あ、あ、んんっ……も、っと…そっと…」 ぬるぬるに濡れた先輩の指が、また僕の孔の中に入り込んできた。 「……ああ……今度はすんなり挿っていくなあ……気持ちいいか？」 先輩の問いかけにこたえる余裕なんてなくて、舐めるのをやめて挿ってくる感覚に耐えながら、僕は首を小刻みに縦に振った。 先輩は楽しそうに小さく笑うと、入れた二本の指をそっと動かし始めた。 「あっ！……まっ……まだ……はあ、ん…あっ……」 ばらばらと僕のナカで動く二本の指。不規則に動きながら、僕の柔らかいところを刺激していく。 右手はそうやってナカを擦り、余った左手は、またたらたらと我慢できずにこぼれ出した先走りをまとわせながら、先輩と僕との間でぷらぷらと揺れている僕のものを扱いてくれる。 ……もっと、もっと気持ちよくなりたい。 普段はそんなこと興味もないのに、先輩と一緒にいると、僕は貪欲になる。 欲張りな自分。 わがままな自分。 我慢のきかない自分。 どれも今まで知らなかった自分で……どれも先輩と一緒だから現れる自分。 それがときどき嫌になることもあるけれど……先輩はそんな僕のこと、受け止めてくれるんでしょ？ 好きでいてくれるよね？ 「………あっ…あっ──ひゃああん！」 ２本の指が与えてくれる快感に耐えながら、先輩のものを扱いていたら、恐ろしいほど強い快感が僕の身体を走り抜けた。 辛うじて射精はしなかったけれど、びくびくと震えている僕の。 「あ、ここだな……葵の前立腺」 先輩はさも嬉しそうに笑って「見つけた」と喜んだらしいけれど、僕はそれどころじゃなく、先輩の声が聞こえないくらいの快感に堪えることで必死だった。