42 / 54

眠り姫1

文化祭に非協力的だった武下太一は 女装姿を逃れたものの 玄関先で勧誘をさせられていた その手には 勧誘用に、さくらの女装写真があった しかし、これといって勧誘もできず 諦めて教室に戻った 教室には誰一人として姿はなく まるで機能していない様だった 太一は控えのカーテンを開けた 「…う、ん」 そこには 女装姿のさくらが 少し苦しそうにしていた 「…誰?」 その瞳はとろん、として潤み 少し動いた唇は ぷるん、と柔らかそうだった 「…竜…いち…?」 そう言われて太一はドキッとした

ともだちにシェアしよう!