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と、その時だった
カーテンが開かれ、ナツオが姿を現した
そしてその光景にナツオは
慌ててさくらの体を抱き上げた
「さくら、大丈夫か?」
「ん?…誰?」
とろん、とした瞳がナツオに向かれる
「武下、びっくりしただろ
こいつ、ボンボン食べたみたいで…
お菓子の酒にも弱くてさ…」
そう言いながらナツオはさくらをイスに座らせた
そして、背中のファスナーを上げ、身なりを整える
「暫くして抜ければ大丈夫だから」
「……」
ナツオに笑顔を向けられ
太一はその場を去るしかなかった
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