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「あ…あのさ……」 今まで会話を交わした事もない太一が、顔を赤めて目を吊り上げたその姿に さくらはビクッと身構えた それを見た太一は 少し冷静になりさくらの腕を離す さくらは掴まれていた腕に触れ目を伏せた 「…ご、ごめん 痛かった?」 眉尻が少し下がり オロオロと慌てた様子の太一 そんな姿を見たさくらは、少しだけ緊張がほぐれた 「だ、大丈夫…だよ ごめんね…びっくりしちゃって…」 にこっ、と太一に微笑むさくら その柔らかな笑顔と 柔らかそうな唇… その瞬間 太一の中で何かが壊れた

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