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第9話

Side尚 「どこいくの?」 「あ、えっと…………みんなのご飯作りに……」 「は?いらないいらない」 「…………え、でも………………」 僕が料理を作りに行こうとしたのに、手を取って止められた 朔也さんにいらない、と言われてしまったが 本当にいらないのだろうか あったかいご飯食べたいだろうに……… 彼らをちらっと見つめると、冷たいコンビニ弁当を寂しそうにつついていた やっぱり、作ってあげなくちゃ そう思ったのに…………行こうとしても、彼の手がガッチリと僕の手を掴み、離してくれない 「は、離して……ください」 「君さ………………」 はぁ、とため息をつかれる …………どうしてため息をつかれているのかわからない僕は、なにか迷惑をかけてしまったのだろうか…………と不安になる 恐る恐る下から見上げると、心配そうな瞳と目が合った 「こんなフラフラで何しようって言うのさ」 「り、料理?」 「いや、無理だろ」 バサッと僕のセリフを切られる た、確かにフラフラしてるけど、元気だし…… みんなが、恨めしそうに朔也さんを見てるし… 可哀想で可哀想で、仕方なかった そんな僕の想いに気がついたのか、はぁ、とため息をもう一度吐いた彼は、僕に、どこ?と聞いてくる 「……どこ、って?」 「だーかーらー、キッチン どこ?一緒に行ってあげるから」 「あ、えっと…………僕の部屋……にあります」 「りょーかい、よっ……と」 「あ、え!?お、おろしてっ!」 「あ?馬鹿か、こんなので歩けるわけないだろ? ほら、道案内しろ」 なかなか強引な彼は僕を横抱きにしたまま、すたすたと長い足を動かし始めた ワタワタしている僕に反して、彼はなんとも思っていないようでズカズカと歩いていく しどろもどろになりながらも、やっとの思いで彼に僕の部屋を案内できた 片手で僕を持ち上げながら、ドアを開く彼に力持ちだなぁと他人事のように思ってしまう 「お前の部屋、広いんだな」 そういわれ、僕の部屋を見渡す 確かに、広い 元々ここはリビングとして設定された部屋だから広いのは当たり前なんだけど……日当たりも良くて、広いこの部屋は僕もお気に入りだ 「愛されてんだな」 そう言われて、嬉しくもあり、悲しくもなった だってきょうちゃんは、そんなつもりないから 彼は僕を愛しているわけじゃない 子作りの道具としか、思ってない 僕にこの部屋をあてたのは、1番奥の部屋だからだ 奥の部屋をあてたのには、深いわけがある 昔、玄関近くの小さな部屋を使っていた時、きょうちゃんがいない隙を狙って攫われそうになった まぁ、その時は油断した僕も悪いんだけど……その日から彼は僕を一番奥の部屋に監禁?するようになった 僕が攫われそうになった理由は、今少ない人族の純血の日本人だからだ 純血の人族は、世界で数人しかいない その中でも日本人は10人しかいない 中でも日本人は働き者で人気だ 忠誠を誓った人には一生を尽くすし、この人を主人を決めたら二度と主人を変えることは無い またエッチが上手で、なんでも飲み込む後孔はとても小さく、締めつけもいい名器だと、信じられている なので日本人の多くは主人を見つけて性処理ペットにされているか、性奴隷として多くのお客様を相手にしているかのどっちかだ 日本人は二度と主人を変えない、とか 孔はとっても名器だ、とか 変な噂が流れているせいで、何度も誘拐され、何度もレイプをされた もう誘拐にも慣れ始めたある日、四日連続で誘拐されて、レイプされかけているところを助けてくれたのがきょうちゃんだ 今まで数え切れないくらいレイプされていた僕は、きょうちゃんも同じように性処理として扱うんだと思い、彼を拒否し続けた まぁ、めんどくさいやつだったと思う けれどそんな僕でもいい、ゆっくり前に進もうな、と言って愛してくれたのがきょうちゃんだ だから、僕はきょうちゃんに殴られようが殺されようが、彼に忠誠を尽くすだろう まぁ、結局は僕も性奴隷なんだけど……………… そんな僕をおもちゃとして、ペットとして、大切に思っているだけの彼は二度とおもちゃを失わないように 大切に大切に、奥にしまい、厳重体制を強いている 朔也さんの思っているようなことはない だって愛しているわけじゃなく…………大切なペットを盗まれないために…………なんだから………………

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