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第21話
Side朔也
「………………っはぁ…………」
響也と喧嘩した日から2ヶ月余りが経とうとしている………………
あれ以来、響也との関わりもなくなり、尚くんの様子も伺えなくなった
どうしても…………あの日の尚くんが忘れられなくて………………その姿を探してしまう………………
またDVされてないか………………
また1人で傷ついてないか………………
と、気になって気になって仕方がない………………
大学は同じなのだから……と探してみたが、休学中らしく、会えなかった
「…………休学って…………100%俺のせいじゃん
やっべぇ…………………………」
あの日の響也は今まで見たことがないくらいキレていて…………あの中に尚くんを置いてきたのは間違いだと思う………………
どうしておいてきたりしたんだ………………とあの時の俺を殴り飛ばしたい気分だ………………
今更だけど……………………
「………………はぁ……どうすっかな…………」
「なにがっすか?」
「うわっ…………び、っくりした………………」
「あはは!せんぱーい、びびってやんのー!」
「うるせぇな………………」
俺の背後から現れたこいつは、天野大雅[あまのたいが]
響也の友人で、俺の後輩だ
あれ…まてよ……こいつ…………響也と……………そうだ…………こいつがいる!
「た、大雅!!」
「っへ!?なんすか!?」
俺に肩を強く捕まれ、怯えているこいつに顔を近づけ迫る
「ち、近いっすよ?先輩………………
あ……だめ………………
いやーーーん!センパイノエッチー!」
「………………大雅……尚くん覚えてるか?」
きゃー!と顔を真っ赤にしてテレテレしてるこいつを無視して、尚くんのことを聞く
すると、キョトン……とこっちをしばらく見つめたあと、さぁっ……と青ざめた
「さ、朔也さん…………もうあいつには関わんない方がいいっす…………」
「………………どーゆーことだ?
何があった……………………」
「………………えっと………………その………………」
正面から大雅を見つめ、優しく問いかける
……が、彼は以前青ざめたままで、ガクガクと震えてしまった………………
これは………………俺が想像してるよりやばい状況かもな………………
無事でいてくれよ………………尚くん……………………
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