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第22話
Side朔也
まだ青ざめている大雅の肩を支え、今は使われていないサークル室に入る
「大丈夫か?大雅…………」
「すんません…先輩…………」
「謝るな…………大丈夫だから、な?」
「はい………………」
まだカタカタと震えている彼の肩をゆっくりと擦り、落ち着かせる…………
しばらく撫でていると、落ち着いたのか、ぽつりぽつりと話し始めた
「一昨日くらいに……………………響也と街であったんです…………」
「……………………うん…………なにかあったのか?」
「………それが………響也が…女連れてて………………
浮気……してるのかと思って………………
で、俺……気になったから、尚くんは?
って聞いたんっす…
そしたら、あいつ…………いい笑顔で、気になるなら、うちくる?って…………………
それで………………俺、着いてって………そしたら………尚くんたくさんの男の人に…………っふぅ………………
おれ…………怖くて……気持ち悪くて…………逃げてきちゃ………………ごめんなさい…………
尚くん…………ごめ………………ごめ……………………」
「謝んな…………大雅、悪かったな…………
話してくれて、ありがと………………」
相当恐ろしい光景だったんだろう………………
涙を流し、俺に必死にしがみつく様子の大雅を見て、ただただ抱きしめることしかできなかった………………
震え始めた彼は、ただひたすら尚くんへの謝罪の言葉を並べていた
どれだけ辛いことがあっても弱ったり泣いたりする姿を他人に見せないこいつが……こんなに弱ってるってことは………………尚くんが相当のことをされている証拠で………………
俺は大雅をもう一度強く抱きしめると、大雅にこう持ちかける……………………
「なぁ、大雅………………
一緒に尚くん救ってくれないか…………」
「………………お、俺に出来ることなら……なんでも言ってください!」
「お前には……少しきついことでもか……?」
「もちろんっす!」
「………………ありがとう…………」
この作戦は………………大雅にもしかしたら大きな傷を作るかもしれない………………
もしかしたら………………尚くんにも………………
それでも………………そうだとしても俺は………………
どうしても……尚くんを救いたい……………………
そう思った俺は……彼に作戦を話した
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