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第24話

2、30分後、カチャ……と音がして玄関の扉が開いたことに気づいた 僕はゆっくりと起き上がり、姿勢を正す だが……………僕は少し違和感を感じた ………………静かだな…………………… いつもなら、ご機嫌で入ってくるお客さん…… ガヤガヤと騒いで僕の部屋に駆け込んでくるのに 今日のお客さんは……なんだか慎重に、ゆっくりとこちらに向かってきている 変なの…………と頭の隅で思いながら お客さんの訪れを待つ しばらくしてカチャリと空いた扉を見て 僕は言葉を失った……………… 「ごめん…………遅くなった、尚くん…………」 「…………んんぅ!」 その人が僕に両手を伸ばし、優しく頭を撫でてくれた その瞬間、僕は足枷のことも、手枷のことも忘れて彼に飛びついた ガチン!と後ろで左手と左足が引っ張られる音がする けれど、そんなことも気にせずに、残りの手足で必死に彼にしがみついた 「んんぅ…………!ふぅ………」 「泣かないで…………ほんとに遅くなった… ……ごめんね」 僕にただひたすら謝りながら、口からボールギャグを外してくれた 「……っぷは! おそいれす!!ばかぁ!」 「………………ほんとごめんね…………」 そこには………… いつか助けにいくから、それまでお利口さんで待っててね、と言ってくれた恩人がいた

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