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第30話

Side朔也 風呂はいって部屋に戻ると、なぜか尻に指を突っ込んでアンアン喘いでいるこいつがいた 慌ててそいつの指を引き抜き、布団で包む 包んだ後、こいつを正面から見つめると、なぜか不満そうに頬をふくらませていた 「な、なにしてるの……」 「なにって……エッチの準備…………」 「は?なんでそんなこと………………」 「だって…………先輩も俺を性処理に…………」 「…………は?真剣に言ってるの?それ」 当たり前でしょ?というように衝撃発言をする尚くん “性処理”と聞こえた瞬間に言いようのない怒りが込み上げてくる …………こういう思考回路になってしまったのは、この子のせいじゃない それはわかってる、こういう思考回路にしたのは周りのヤツだってことも……………… だけど、怒れてしまうのは仕方なくて……………… 尚くんの肩を掴むと、ベッドに押し倒す 「尚くん」 「さ、朔也さん…………」 顔を近づけると、ぎゅっ、と目を瞑りぷるぷると震える小さな体 怖いくせに、どうして無理するんだ……………… 性処理にされることを覚悟しているであろう体を優しく抱きしめ、小さな額にキスを落とす すっ、とそのまま離れるとなにか言いたげな顔が俺を見上げてくる 「な、なんで………………」 「……………………おやすみ、尚くん さっきした行為の説教はまた明日ね ゆっくり休んで」 疑問を抱えながら俺を見つめる彼にそう言うと、安心したのか肩の力を抜き目を静かに閉じた なんで…………か 誰が震えている子に手を出すんだよ………… どうして性処理に使われないことに疑問を持つんだ………… 性処理に使われていることに疑問をもてよ…… 抱かれなかったことに疑問を持っている彼を横目で見つめながら、静かにその部屋をあとにした…………………………

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