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第32話
Side朔也
………………何が起こってるんだ………………
訳の分からない頭で今起こっていることを整理する………………
体を起こすと視界いっぱいに広がるのは愛しい尚の姿で……………………
ぎゅう……と力いっぱい俺にしがみついてきている
(ゆ、夢…………?)
まさか、尚くんと付き合いたい願望が強すぎて夢にまで出てきたのかと思った
「…………………いってぇ…………」
「…………さくやさん?」
「夢じゃ……ない?」
どうせ夢だ、と思って頬を思いっきり引っ張ったのに……普通に痛かった
ということは、現実?
え、だとしたらなんで………………
「な、なにしてんの?尚くん」
そう彼に問うと、尚くんはビクリと肩を震わせるとその大きな瞳にじわりじわりと水を溜め込む
あ、これ俺しくったな………………と思って冷や汗をかいていると…………
尚くんの瞳から1粒、2粒……とどんどん大粒の涙が溢れる
どうして泣き始めたのか、どうしてそんなに悲しそうなのか
訳が分からずあたふたしていると、尚くんが俺の肩を掴みがくがくと揺すってきた
「…………さくやさんのせいなんですー!!」
「お、俺!?」
わぁぁぁぁん!とさらに激しく泣き出した彼
どうして俺のせいなのか、聞き出そうとしてもしゃくり上げるばかりで言葉が全く聞き取れない
………………もうなんなんだよっ!!
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