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・第22話・
勃起してしまった。
それをあなたに知られただけで恥ずかしくて、顔がもっと熱くなるのに、
そんなに顔を近づけんなよ。意地悪な質問すんなよ……
恥ずかしすぎて死ぬ
俺は熱くなっていく顔を両手で隠した。
そんな俺の手を掴んで、及川さんは無理やり顔を見ようとしてきた。
見られないように、引き剥がされそうになる手に必死に力を込めた。
「や、やめてください!」
「飛雄の顔見たい。ねぇ、見せてよ、可愛い顔」
「可愛くねーし! 見んなボゲェ!」
「可愛いよ……飛雄は全部可愛い。
今まで見れなかった分、ちゃんと残さず全て見たいんだ……」
今まで見れなかった……
そんなの俺も同じで。俺だって及川さんの全部を見たいけど……
「顔、スゲー熱いし……恥ずかしくて、見られたくないんです……」
「そんなの!」
そう強声が響いて、突然及川さんが強い力で俺の手を掴み上げた。
「俺だってすんごい恥ずかしいし、すんごい緊張してるよ!
だからメッチャクチャ顔赤いと思うけど、でも仕方ないじゃん!
本気で好きになった人と初めてセックス出来るんだよ!
飛雄の全部が見たいに決まってるし、俺のこともちゃんと全部見てほしい!」
そう捲し立てて及川さんは、さっきまでの強声が嘘だったかのように優しい手つきで、俺の両頬を包み込んだ。
真っ直ぐ見詰められて恥ずかしいけど、もう目を逸らしたくない。
だって、俺だって及川さんとずっと……触れ合いたかったから。
及川さんの全てを知りたい 全てを見たいから……
「飛雄、可愛い……
ねぇ、俺は今どんな顔してる?」
「及川さんの顔? な、なんか目がスゲー優しくて、でもなんて言ったら良いかわかんねーけど、溶けそうっつーか、なんか……エロい……」
溶けそうな熱い眼差し
彼の瞳を見続けていたら、その中に吸い込まれてしまいそう……なんだかそんな瞳をしているように思えた……
「フフ……溶けそうでエロいか……
そうだろうね。だって今、飛雄にメチャクチャ欲情してるから。
だから飛雄も興奮してくれて嬉しい」
そう言って彼は熱い眼差しのまま俺から目を逸らさず、下の方へと手を伸ばす。
ズボンの上から窮屈さを訴えて膨らんでしまった俺の欲望に、そっと指を這わせた。
「んぁっ!」
ツーっと一番敏感なところに指が滑り、その感触に思わず声があがって、身体が大袈裟に反応した。
身体中をゾワゾワとしたものが駆け巡った。
今まで自分以外に触れられたことのない恥部に、まさかあの及川さんの指が、
俺が憧れたあの凄まじい威力のサーブを生み出すことの出来るあの手が
俺に触れるなんて……
今までの俺達の関係から考えたら、本当に信じられないことだった。
奇跡だと思った……
「ほんと可愛い……」
彼はそう甘く呟いて、もう一度同じところに指を滑らせる。
「ンっ!」
また恥ずかしい声が自分の意思とは関係なく、唇から溢れ出てしまった。
身体をビクッと小さく震えさせた俺の反応に、及川さんは嬉しそうに口角を上げた。
「ちょっと触っただけなのに、そんな反応するんだ……飛雄はすんごい敏感だね」
すごい敏感って……だって仕方ないじゃねーか。ずっと好きだった人、及川さんに触られてるんだから。
興奮せずにはいられない……
「ズボンに染みが出来ちゃったね」
「っ!!」
彼に触れられ盛り上がったそれが、ズボンを色濃く変えて、物欲しそうに脈打っていた。
「なんかお漏らししたみたいだねぇ~」
「そんなこと言わないでください!」
クスッと笑われながら恥ずかしいことを言われて、更に顔が熱くなっていく。俺は声を大にして彼を思いっきり睨んだ。
それでも楽しそうに笑いながら、及川さんは俺のズボンに手をかけてきた。
「ちっ、ちょっと及川さん!?」
「飛雄の見たい……見せて」
優しい声でお願いされたら、見られたら恥ずかしいのに……
ダメだなんて、言えなくなる
「わっ、分かりました……」
恥ずかしくて死にそうだ……
俺は早くなっていく胸の高鳴りに戸惑いながらも頷いて、そっと身体の力を抜いた。
そんな俺に、また彼は優しく笑って、そして次の瞬間、素早くズボンを下着ごと一気に脱がした。
「あっ!」
勃ち上がった昂りがズボンを脱がされた時の衝撃でブルンと激しく揺れ動き、及川さんの眼前にさらされる。
隠すものがなくなった屹立を、彼はジッと真っ直ぐ見つめてくる。
「あっ、あんま見ないで下さいっ!!」
「無理」
一言、それだけ言って及川さんは、慌てて陰部を隠そうとした俺の手を掴み上げ、反対の手で昂りに触れてきた。
「ンッ!」
彼のあの手が、今度は生の陰茎に直接触れるなんて!
ズボンの上からでも信じられないことだったのに……
「飛雄のすんごい濡れてる……ヌルヌルだね……」
彼はどことなしか怪しさを含んだ笑みを浮かべて、溢れ出た先走りを指で掬い取り、それをペロリと舐めた。
「なっ! 及川さん何してっ!?」
「ん。美味しい……」
「美味しいわけねーだろボゲェ!」
「すごい甘い……」
うっとりとした表情でそう呟いて、及川さんは掌で、まるで人形の頭を撫でるかのように優しい手つきで亀頭を撫で始めた。
「んっ、ぁ……及川、さんっ……はっ、ぁ……」
掌が鈴口を擦る度、高い声が勝手に溢れ出てしまう。
彼が手を動かせば動かすほど先走りの量が増えていき、ヌルヌルとスムーズに滑って、クチュクチュと厭らしい音が部屋中に響いた。
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