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・第23話・
触れられているのは陰茎だけなのに、与えられた刺激が頭の天辺から爪先まで伝わって、ビリビリとした感覚が駆け巡る。
厭らしい音が響き、耳に届く度頭の奥底が痺れたように上手く働いてくれなくなっていく。
「んっ、んぁ……うっ、おい、かわさんっ……あっ!」
指先で鈴口をグッグッと潰すように何度も押されて、それに合わせるように唇から高い声が溢れ出てしまう。
「うっ、あ、あっ、あっうっ、」
ヌルヌルと円を描くように指を滑らされたかと思うと、またそこを押し潰される。
そこばかり刺激されると、止めどなく先走りが溢れて、彼の指が驚くほど円滑に動いていく。
「ん、はあぁ、うっ、ん、んぅっ……」
「すんごいヌルヌル……
こんなヌルヌル触ってたらなんか……及川さんの指も気持ち良くなってきちゃった……」
うっとりとした甘い声で囁かれ、カァッと顔に熱がたまる。
ヌルヌル……
彼の言う通り、そう言わせてしまうほど、俺は恥ずかしくなるぐらい感じてしまっている。
先走りだってあんなに沢山……
スゲー恥ずかしくなるけど、でも及川さんも俺の触って、気持ち良くなってくれた?
それが嬉しくて、もっと気持ち良くなってほしい
でも、どうすれば良いのか分からない……
そんなことを考えていたらいつの間にか、鈴口ばかりを刺激していた手が、陰茎全体を両手で包み込んでいた。
及川さんの手は燃えるような熱さで、それでなくても熱かった陰部がもう蕩けてしまいそうになる。
「ん、はぁ……及川、さんの手…ス、ゲーあちぃ……」
「すんごい興奮してるからね……
だから、もっと気持ち良くしてあげるね」
彼は吐息混じりの声で囁いて、両手をゆっくり上下に動かしだした。
沢山鈴口に刺激を与えられていたから、先走りが溢れかえって陰部全体をしっかりと濡らしているから、彼の手の動きがものすごくスムーズだ。
及川さんは昂りの根元から先端まで満遍なく丁寧に手を滑らし、俺のことを気持ち良くさせようとしてくる。
「あっ、あっ、う……うぁ、んぅっ…はぅっ、あぁ…」
裏筋を指で擦られる度、腰が勝手に揺れ動いて止められない。
「うあぁっ、んぁ、おい、か、わさんっ、あぅっ……」
彼の名前を口に出すだけで、気持ちよさが倍増してる気がした。
それは自分自身が発した声なのに、その名前が耳に届くと、更に興奮している自分がいた。
及川さんの名前だけで、俺はここまで……
それは彼も同じみたいで。
俺が名前を呼ぶ度、手の動きが早くなっているのが分かる。
「うっ、おいか、わ、さんっ! は、うぅ……ん、あっ……」
「ね、気持ちい?」
「んぁっあ、す、スゲー、やばい、です……ンんっ!」
彼の甘い声が耳に届き、それも今の俺にはものすごくやばいもので。
「うん……俺ももう、かなりヤバいよ……」
余裕なさそうに揺れた彼の声に、
あぁ、もうそろそろ
「ンあぁっ、ほ、本当に俺、うぁっ、も、もう、やっ、んあっ、やっ、やば、い、っす!」
彼の手の熱さも、良いとこばかり刺激するこの手の感触も、本当に気持ち良すぎて。
「ふっ、あぁっ、も、もう、いっ、イ、くっ…っ!」
「あっ飛雄、ダメ!!」
身体がビクビクと震えて、もう我慢できない
イってしまう!
頭も身体もそう理解したその時、俺の昂りは思いっきり強く彼の手に握り締められ、熱を解き放てずに閉じ込められてしまった。
「~~~~うぅっっ!!」
「ごめんね、飛雄……」
彼は強く、でも大切なものを守るかのように俺の屹立を握り締めながら、眉を下げて謝ってくる。
「う"、ンぅっ、ぁ、ぁ……はぁ、はぁ、はぁ……」
うぅ……苦しい……
俺の体内で欲望が早く解き放たれようと激しく渦巻いて、苦しくて
俺は涙目になりながら、肩で息をするだけでいっぱいいっぱいになっていた。
そんな俺の涙を指で拭いながら、彼は申し訳なさそうにまた謝る。
「飛雄、ごめんね……酷いことして……
本当は飛雄に気持ち良くなってほしい、早くイかせてあげたいって思ってるんだよ。
でもね、初めてだから、一緒にイきたいんだ」
「おい、かわさ、ん……」
「飛雄を沢山触ってたらね、もうすんごい興奮して、俺ももうめちゃくちゃヤバいんだけど、早くどうにかしたいんだけど……
でも……飛雄の中でイきたい。
飛雄と一緒にイきたいんだ!
だから……
ごめん、もう少し我慢して」
俺はなんて自分勝手な奴なんだ……
自分だけ一人でイこうとして、及川さんの気持ちを全然考えてなかった……
俺だって及川さんに気持ち良くなってほしいと思ってた。
なのに、先に勝手にイこうとするなんて……最低だ
俺も、俺だって及川さんと一緒にイきたい!
「だ、大丈夫っす……我慢、出来ます。
及川さん……一緒に、イきま、しょう」
渦巻く熱を抑え込むように拳を強く握って耐えながら、必死に口角を上げて及川さんに笑いかける。
「飛雄、我が儘言ってごめんね……ありがと
一緒に気持ち良くなろ」
「ハイ……」
ゆっくりと頷いた俺に彼は本当に嬉しそうな微笑みを浮かべて、俺の膝にチュッと音をたてて一つ口付けてから、後ろの方へと手を伸ばした。
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