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・第24話・
彼の指先が俺の窄まりに、そっと優しく触れた。
小さな感触。それだけなのに俺の身体は大袈裟に反応して、ビクッと震えてしまう。
そんな俺に彼は、申し訳なさそうに眉を下げた。
「やっぱり、怖い?」
「あ、あの……そんなとこ、人に触られたことなんかねーし、自分だって触らねーし……
なんかスゲー変にびびるって言うか……
俺ほんと、こういうこと初めてで、だから全然分からなくて……
あの、そ、そこに指、入れるんすか……?」
一緒に気持ち良くなりたい。
それって、ただ一緒にイくだけじゃないよな?
詳しくは分からねーけど、尻を触るってことは、
そこに及川さんのを入れるってことなんだよな……
俺の中でイくって、そう言うことなんだ。
でも、痛くないのか?
情けねーけど、なんか不安になってきた……
不安と緊張で無意識に目を泳がせた俺を、彼が強く抱き締めてきた。
それに目を見開きながらも、彼の背中へ腕を回した。
「及川さん……」
「怖がらせてごめん。
ここで優しい彼氏なら、ゆっくりで良いよって言って、止めてあげるのかもしれない。
でも俺は……我慢出来ない、ダメなんだ。
飛雄が欲しい。今すぐに!」
苦しくなるほど強く抱き締められ、彼は耳元で切なそうに言葉を吐き出した。
この先に進んで自分がどうなってしまうのか分からなくて、スゲー不安で、だけど……
止めたくない……止めないでほしい
確かにスゲー痛いのかもしれない。
それでも、及川さんと一緒に気持ち良くなりたいって気持ちの方が強くなってきた。
彼のこの腕の強さ、温もりを感じたから……
痛いのが何だ! 逃げるのか?
そんなの俺自身が絶対に許さない!
「俺も、及川さんが欲しいです。
弱音なんてかっこわりーこと言って、すんません」
「弱音だなんてそんな!
そりゃ怖いのが当たり前だよ。
普段こんなとこに何かを入れることなんてないし、抱かれる側の方がすんごい体の負担大きいと思うし。
それなのにこんな我が儘言って、最低だって分かってんのに、止めてあげられない……」
「最低だなんてそんなことないっす!
それだけ俺のこと求めてくれてるって分かって、スゲー嬉しいです。
俺は、もう大丈夫です!
思いっきり抱いてください!!」
及川さんに回した腕に更に力を込めて抱き締めてから、ゆっくりと体を離して彼の顔を見つめる。
及川さんは眉を下げて少し心配そうな顔をしていたけど、俺が大きく頷いて真っ直ぐ彼の瞳を見つめると、
その心配顔が柔らかくなって嬉しそうに頷き返してくれた。
「優しくする。
痛くないようにするから、飛雄の全てを俺に委ねて」
「ぜってー優しくしないと、許しませんから」
「はは。うん、ありがと」
笑い合って、お互い自然に唇を近付けて、熱いキスをした。
本当はまだ、スゲー心臓がバクバク音を立てているけど、これはもう不安ってだけじゃないから。
俺の全身全てで、及川さんを受け入れる
「飛雄……」
甘い声で名前を呼ばれて、また一つ胸が音を立てた。
彼は穏やかに笑って、俺の両膝を抱えて、深く折り曲げてきた。
そっと蕾に彼の指が触れる
それに俺の体はまた反応して、ビクッと震えてしまった。
「大丈夫?」
「大丈夫です。続けて下さい」
その言葉に彼は頷いて、俺の表情を窺いながら蕾に指を滑らせ、優しく何度も撫でてくる。
先程までの行為で、俺の昂りから溢れ出た先走りは、後ろの方まで伝い溢れていた。
彼はそれを指で掬い取り、蕾に塗り付けてくる。
「んぅっ!」
ヌルヌルとした感触にゾワリと身体が揺れ、声が漏れる。
「これだけじゃやっぱ足りないか……」
そう呟いてから彼は俺の唇に指を押し当てて、ツーっと滑らせた。
「飛雄、口開けて……」
優しい口調だけど有無を言わせない、そんな雰囲気が醸し出されていて、俺は彼の言葉に自然と従った。
開けた瞬間直ぐ様口内に進入してきた指が、俺の舌をくすぐる。
「……舐めて」
彼に言われたら、もちろん俺はその通りに動く。
高鳴る胸を押さえ込みながら、彼の指をペロペロと舐めた。
そんな俺に、彼は小さく笑う。
「そんな可愛いのじゃダメだよ。
もっと飛雄の唾液で俺の指をぐちゃぐちゃに濡らしてよ」
「っ!」
ぐちゃぐちゃって……
恥ずかしい言葉に熱くなっていく頬。
「そーした方が飛雄も痛くないから」
指をぐっ、ぐちゃぐちゃに濡らすのと、これからの行為をやりやすくする?
どうやったらそれらが結び付くのか全然見当もつかないけど……
俺は言われた通り、彼の指をぐちゃぐちゃに濡らそうと、必死に舌を動かした。
指に舌を押し付け、くねくねと動かし舐める。
「しゃぶって……」
しゃっ、しゃぶるって……
恥ずかしいと思いながらも、それももう今更。
それまでに沢山恥ずかしくて、厭らしいことをしたんだし、これぐらい出来ないと。
俺はがむしゃらに舌で指を絡め取り、思いっきり吸い付いた。
「もっと、もっと吸って」
「んっ、んんっ……んむ、うぅ……」
吸えば吸うほどちゅぱちゅぱと淫らな音が耳に響いて、更に厭らしい気分になっていく。
彼の指がトロトロに濡れて、スムーズに口腔内で滑るようになった頃、
彼が指をズルリと口内からはなす。
「そろそろ良いかな」
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