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第74話
日向の奴、いっぱいメールするからとか言ってたけど、なんで今まであんまメールしたことなかったくせに突然そんなこと言うんだ?
つーか、日向とメールする内容なんて、思い付かねーんだけど……何話すんだ?
ちょっと面倒くさいなと思いながら、教室の席に座って携帯を開く。
受信メール 1件
《今日は守れなくてごめん。
大王様スゲー怒ってたけど、大丈夫だった?
次は負けねー! 絶対守るから!》
なんだこれ?
なんで日向が謝ってんだ?
アイツ、すごい俺のこと心配してくれてたんだな……
面倒くさいとか思って悪かったな。
日向、良い奴だな……
《返事遅くなって悪かった。心配かけたな。
でも、俺は女じゃねーんだから、守らなくても大丈夫だ》
送信する。
すると、1分も経たぬうちに返信が来た。
早っ!!
アイツメール打つの早いな!
《だってお前、あの時スゲー悲しそうな顔してたじゃん!!
あの後大丈夫だったかなって、ずっと心配してた。
お前のこと大切だから守りたいんだよ……
大王様に酷いことされなかった?》
大切って……なんか言われると、嬉しいようなくすぐったいような不思議な気持ちになる。
《大丈夫だから心配すんなって!
及川さんとは朝見た通り、もう仲直りしたから。
俺が新藤さんにキスされたから、それが嫌だったらしい》
メールを打っている最中に先生が来て、ホームルームが始まったけど、構わずメールを送信する。
《俺も、お前が大王様の元カノにキスされたのスゲーイヤだった!!
スゲーモヤモヤした!!!!》
????????????????????
なんで、日向がモヤモヤするんだ?
意味分かんねー……
返信に困っていると、また日向からの受信。
《影山は、女の人にキスされてどー思った?
ドキドキした?》
なんだこの質問? ドキドキ?
ドキドキはしなかった。
ただスゲービックリしただけ。
それよりもその後に、及川さんに抱きしめられた時の方がドキドキした……
なんて、日向には恥ずかしくて言えねーけど……
《別にどうも思わねーよ》
《あの人、スゲー香水の匂いしたな。
男は皆、あの匂いにムラムラするらしいな……
影山もムラムラした?》
なんだよムラムラって!?
思わず、吹き出しそうになったじゃねーか!!
《ムラムラするわけねーだろ!!
お前こそ、ムラムラしたのかよ?》
あれ? 帰ってこねぇ?
今まで早かった返事が、突然来なくなった。
先生に見つかったのか?
なんて思いながら携帯を閉じようとした時、返信有り。
《好きな奴の匂いにしかムラムラしない》
好きな奴?
日向、好きな人いるのか?
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