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第75話

《お前、好きな奴居たんだな?》 思ったことをそのまま打って送信する。 すると、また日向からのメールが来なくなった。 《お前の好きな奴の匂いってどんな匂い?》 日向の好きな奴の匂いは、そんなにムラムラする匂いなのか? 何と無く気になってそんな質問をしてしまった。 《影山は、自分の匂いって良い匂いだと思う? 俺はお前の匂い好きだけど》 日向の予期出来なかった返事に、俺は思わずは?って言いそうになった。 今ホームルーム中だから、危ない危ない。 つーか、何言ってんだ日向の奴? 俺の匂いが好きとかキモいこと言うなよ…… まあ、人にはそれぞれ好みの匂いとかあるだろーから、たまたま日向が俺の匂いが好みだっただけか? なんて意味不明だったから、あんまり深く考えずにメールを打った。 《自分の匂いがどんな匂いなのかなんて、よく分かんねーよ。 たぶんあんま良い匂いじゃねーと思うけど。 まあ、好きな匂いとか思ってくれてありがとな》 《やっぱり、好きな奴の匂いが一番良い匂いなんだと思う。 フェロモンっつーの? それが出てて好きな奴とか、相性が良い相手とかをムラムラさせるんだと思う。 だから影山からもそう言うのが出てて、良い匂いだって思うんだと思う》 フェロモン? なんだそりゃ? よく分かんねーけど、とにかくそれは良い匂いなんだろーな…… 香水みたいなもんか? 俺、香水つけてねーけど。洗剤とかの匂いかもな。 これもよく分かんねーから、また深く考えずにメールを打った。 《ふ~~ん。 フェロモンなんて難しい言葉よく知ってんなお前。 まあ、フェロモンって言う言葉は覚えたわ》 《お前、人の話ちゃんと聞いてる? 俺が言いたいこと分かる?》 《聞いてるっつーの! まあとにかく、フェロモンって良い匂いなんだろ? 人それぞれ好きな匂いがあるんだよな。 俺はあんま女子が振り撒く香水とかの匂いは、気分が悪くなって好きじゃねぇ。 女子の匂いはフェロモンじゃねーのかもな。 つーか、そろそろメール止めるか。 先生にバレたらめんどくせーし。 じゃーな!》 本当に先生にバレたら携帯没収されるかもしれねーし、俺は一方的にメールを止めて、携帯をズボンのポケットにしまった。 つーか日向、好きな人の匂いが一番良い匂いとか、好きな人からフェロモンが出てるとか言ってたけど。 及川さんからもフェロモン出てんのか? 及川さんの匂いってどんな匂いなんだろ? セックスの時とかスゲー近くにいるけど、匂ったことねーし……緊張してて匂う暇なんかない。 及川さんってどんな匂いなんだ。 俺の好きな匂いだったら良いな……

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