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第108話

及川side 気付いてなかっただけで本当は、初めて出会った時から俺は飛雄に恋をしていたんだと思う…… 中学出会った最初の時俺は、飛雄のこと影山って呼んでた。 『へぇ~影山ってセッター志望なんだ?』 『ハイ! 及川さんのサーブ見ました! スゲー威力でドバーンスドーンていって、スゲーです! 俺もあんなサーブ打てるようになりたいです!』 『ドバーンスドーン?? トスじゃなくてサーブなんだ…… まぁうん、ありがとう。影山もすぐ打てるようになるよ』 大きなクリクリした可愛い瞳をキラキラさせて、俺を見つめる飛雄がものすごく可愛くて。 そんな尊敬してますって目で見られたら、誰だって嬉しくなるよね。 最初のうちは飛雄が求めてきた物を出来る限り教えた。 サーブの打ち方、ブロックするタイミングなど 出来るようになると嬉しそうに 『及川さんアザーーッス!』 なんて言って、また目ぇキラキラさせて俺を見つめる。 本当に素直で一生懸命で、可愛い後輩が出来て俺も喜んでた。 飛雄はすごい上達するのが早かった。 俺が半年かけて出来たことを、飛雄は1ヶ月立たぬうちにすぐ身に付けていく。 すぐに俺の教えられることがなくなっていった。 それでも飛雄は俺の所に来てくれていたけど、回数は最初の頃より大分減って、他の人の所に多く行くようになった。 『先輩! 今のスゲーっす! もう一度見せて下さい!』 なんなのアイツ! 最初はあんなにこっちに来てたクセに! 恩知らず!! 俺の技を全部手に入れたらもう御役御免ってか? なんか感じ悪いんですけど! 『今年はすごい1年が入ってきたなぁ~及川! 影山のスタメン入りも考えないとな~』 監督が主将である俺にそんなことを言ってくる。 それってつまり俺をスタメンから外すってことか? なんなのそれ…… 可愛かった後輩が、ドンドン黒く歪んでいく

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