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第121話

及川side あれから俺はあの彼女とはすぐ別れて、また別の人次の人、と言うように色々な女の子達と付き合っていた。 愛がないから、長続きしない。 でも誰かと一緒に居ないと、すぐに飛雄のこと思い出してしまって苦しかったから…… 『及川くん私のこと、本当は好きじゃないでしょ? だっていつも上の空って言うか、誰か別の人を見てるよね? やっぱりちゃんと私のことだけを見てくれる人と一緒にいたい! まだ及川くんのこと好きだけど……サヨナラ!!』 皆同じようなことを言って、俺のもとから離れていってしまう。 別の人を見てる……か…… 女の子は鋭いね。 『お前また女と別れたのかよ……』 『あーー、うん……』 『ちゃんと好きな奴と付き合えよ。 お前に振り回される女達が可哀想だろーが』 『…………』 岩ちゃんも決まって、“好きな人と付き合え”って毎回のように言ってくる。 ダメだよ、その好きな人が男なんだもん。 無理だよ…… 飛雄とはしばらく気まずかったけど、それでもウザいぐらい毎日サーブサーブ言ってきた。 俺が邪険にすると悲しそうな顔をして、もういいですなんて言って、他の人のところに行ったりしていた。 その姿を見たらイライラして、飛雄に見せつけるようにサーブを打ってる自分がいた。 そんな俺をキラキラした瞳で見つめてくる飛雄に、胸がまた苦しくて仕方なかった。 早く忘れないといけないのに……何してんの俺…… でもいつか良い女の子が現れて、きっと飛雄は過去の存在になってくれるはずだ。 そして月日が流れて……中学卒業式の日 『及川さん! 卒業おめでとうございます!』 『卒業おめでとうございます!! 高校青城でしたよね? 俺も絶対青城行きます!』 『皆ありがと~。うん、絶対来なよ!』 後輩達が皆俺にお祝いの言葉を言ってくれるなか、飛雄だけが姿を見せてくれなかった。 当たり前だよね……俺は飛雄にとって酷い先輩だったから。 祝いの言葉なんて言ってくれるわけないよね。 それでも、俺はまだ 飛雄を好きなまま……

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