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第131話
及川side
久しぶりに再会した飛雄は、可愛くて愛しくて……
もっともっと好きだって気持ちが溢れそうになった
飛雄に触れられる瞬間が、泣きたくなるほど幸せだった……
語り終わった今も
飛雄に触れたくて、キスしたくて、仕方ない。
「ずっと飛雄に会えなかった2年間、本当に苦しかった。
飛雄が好きで好きで……
忘れようとしてたのに、忘れた日なんて1日もなかった……」
すごく悲しくて辛かったけど、飛雄と両想いになった今では、これも良い思い出になったなって思う。
悲しい過去があったから、幸せな今(未来)があるんだ。
こうやってチビちゃんに過去を話したことで、どれだけ飛雄への愛が深いものだったのかを再確認することが出来た。
どんどん愛しい気持ちが強くなっていく。
「沢山の人達を傷付けてきた、本当に後悔してる。
でもそれは、俺が本気で死ぬほど飛雄のことが好きで、この想いを消すことが出来なかったから。
あの2年間、どれだけ飛雄を求めて涙を流したことか……
俺、本気なんだよ!
チビちゃんは俺が、遊んでるだけだって思ってるのかもしれない。
でも、本当に本気で、飛雄を愛してる。
もう放したくない、離れたくないんだ!!」
ググッと痛くなるほど拳を握って、話の途中から俯いてしまったチビちゃんを真っ直ぐ見つめる。
チビちゃんは俯いたまま、口を開いた。
「俺も、影山のこと本気でスゲー好きです。
だから、影山を泣かせた大王様が許せなくて。
なのにコイツ、大王様のせいで泣いてたくせに、それなのに……」
チビちゃんの声震えてる……
俺も本気だけど、彼の飛雄のことが本気で好きだって強い気持ちがすごい伝わってくる。
「影山もずっと大王様のこと求めてて、あんたの名前呼んでて
スゲー好きなんだって分かるから、辛くて、悔しくて……
なんで俺じゃあダメなんだろって……思えば思うほど、ムカついてイライラして、でも好きすぎて苦しくて……
こんなに影山に愛されてるのに、それなのに、
ふざけて、泣かせるなんて。
許せねー、影山を傷付けた大王様なんてぶん殴ってやる……って思ってたけど」
そこでチビちゃんが勢いよく顔を上げた。
その顔は、涙と鼻水でグチャグチャになっていた。
「大王様の本気を知ったから……
だから、そんなこと出来ねーよ!
俺も大王様も影山のこと本当に本気で好きなんだって分かったから!
ごめんなさい、俺誤解してた!
大王様も俺と同じだったんだ!!
影山が好きで、好きで……」
あーー、ずっと我慢してたのに、俺も、
俺も泣いちゃうじゃん。
俺はどれだけ、飛雄のことで涙を流したんだろう。
でも、それだけ飛雄のこと愛してるんだ。
きっとチビちゃんも、飛雄のこと好きすぎて、俺と同じように沢山涙を流したんだろう。
人は誰かに本気で恋をしたら、その人のことを想いすぎて、
涙脆くなってしまうんだろうな。
飛雄も俺のために、涙を流してくれた。
だから俺は、もっともっと飛雄を好きになっちゃうんだ……
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