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第134話
“飛雄を絶対幸せにするよ 必ず!”
及川さん……
俺はあんたの傍にいられるだけで、それだけでスゲー幸せを感じてる。
それなのに及川さん、あんたは俺に今以上の幸せを、もっともっと与えてくれるって言うんですか?
ずっと中学の時から好きだった。
及川さんの視界に入りたくて、俺は毎日のようにウザがられてもあんたに近寄った。
それは今も変わらない
及川さんにずっと見ていてほしい
他の人なんて見ないで、俺のことずっと好きだって言って
俺はこんなにもあんたが好きなんだ
今更他の人を好きになったなんて言われても、離してやることなんて出来ないんだ。
『心変わりしないで、ずっと傍にいてください!』
初デートの後も、あの日新藤さんと話した時も
ずっと心の中で叫んでた
怖い……心変わりして、及川さんが俺から離れて行ってしまう
そんな未来が来てしまうんじゃないかって……
怖くて ずっと苦しんでたんだ……
でも、
“俺は本気で死ぬほど飛雄のことが好きで、この想いを消すことが出来なかった
あの2年間、どれだけ飛雄を求めて涙を流したことか……
俺、本気なんだよ!
本当に本気で、飛雄を愛してる。
もう放したくない、離れたくない”
“忘れようとしてたのに、忘れた日なんて1日もなかった”
及川さんの言葉……
ずっと悩んで苦しんでた俺の心に、光を与えてくれて、
大丈夫だよって言って、笑ってくれてる気がした。
俺も同じです……あの二年間、どれだけあんたを求めてたか……
二年間、ずっと忘れられず、俺を好きでいてくれたんですか
ずっと忘れられなかった?
だったらこの先も忘れずに、ずっと俺のこと見つめててくれますか……
及川さんの真剣で真っ直ぐな強声が嬉しくて嬉しくて、
涙をとめることが出来なかった……
傍にいて……俺を今よりもっと幸せにしてください
日向が立ち去って、及川さんが近付いてくるのが分かった。
俺は涙を拭くことも出来ず、慌てて滲む視界を閉ざした。
起きてたってバレバレだよな?
でも、今及川さんの目を見たら、きっともっと涙が溢れて止められなくなると思うから。
今頭の中及川さんでいっぱいで、グチャグチャで、
きっと及川さんの目を見て話したら、上手く喋れる自信無いから。
だから及川さん、今はそっとしといてください。
落ち着いたら、ちゃんと話すから。
だから今は……
及川さんが俺の頬に触れてきた。
愛しい体温に、胸が早鐘をうち始めた。
「飛雄……またお前の笑った顔が見たいよ
愛してる……」
耳元で響く甘い声
頬に与えられた柔らかい感触
頭を撫でてくれる優しい大きな手……
心臓が壊れてしまいそうなほど、ドキドキしてる
及川さん、及川さん及川さん……
俺もあなたのこと、愛してる
愛してるんです
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