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第135話

昨日はスゲー頭と喉が痛かったけど、一晩寝てたら大分良くなった。 もう大丈夫だと思って朝練に行こうとしたら、母さんがものすんごい恐ろしい形相で玄関の扉の前で仁王立ちしていた。 昨日泣いてた日向のことが気になるから、学校行きてーのに…… でも、母さんが魔物化して家から出してくれねーから、今日はしぶしぶ休むことにした。 及川さんにもメールしたいけど、なんて送れば良いか分からねー…… 昼になって飯を食ってから、眠れずにベット上でゴロゴロしていたら、携帯がメールを受信した。 誰だ? もしかして及川さん!? それとも日向? ドキドキしながら携帯を開くと、相手は岩泉さんだった。 《調子どうだ? 風邪酷くなってないか?》 岩泉さん……心配してくれてる、やっぱ優しいな。 それなのに俺がっかりなんかして、最低だな…… ため息を吐いて、反省しながらメールを送信する。 《昨日からずっと寝てたので、大分良くなりました。心配かけてすんません……》 《良くなったなら良かった。 昨日及川が泣きそうな顔でスゲー心配してたから笑 あいつ1度心配しだしたらウゼーから、ちゃんとしっかり風邪治さねーとまたウザくなるぞ! よく寝てガッツリ飯食えよ!》 及川さん俺を心配して、泣きそうになってたのか? これが岩泉さんの冗談かどうかは分からねーけど、でも俺も及川さんが風邪引いたとか知ったら、絶対スゲー心配するに決まってる! 恋人が風邪引いて心配しないわけねーよ! 早く及川さんに元気な姿を見せて、安心させてやりたい。 《あざっす! よく寝て、ガッツリ飯食います! ところで、及川さんは今どーしてますか? また心配して泣いてませんか?》 ちゃんと元気だって分かってもらうために、俺も冗談でこんなメールを送ってみた。 だけどさっきはすぐに返ってきたメールが、なかなか帰ってこない。 しばらくしてから返ってきたメールに、俺は眉をひそめた。 《クソ川なんてどーでもいーだろ! あいつのことはいーから、お前は気にせずさっさと風邪を治すことだけ考えてろ!!》 なんかこのメール、まるで及川さんに何かあったけど、お前は風邪引いてんだから他の奴のことなんか気にせず寝てろよって言われてるみてーだな…… 怪しい…… 《及川さんに何かあったんすか?》 《なんもねーよ! いーからお前は寝てろ》 《及川さんとちょっと話したいんで、今からメールしてみます》 《ダメだ。寝てろって言ってんだろボゲェ!》 《どーしてダメなんすか? 及川さんに何かあったからダメなんすか?》 《だからなんもねーって言ってんだろ!》 《岩泉さん嘘つくの下手っすね。何かあったんだって俺でも分かりますよ》 すると、またメールが返ってこなくなる。 やっぱり、及川さんに何かあったんだな。 しばらくしてから、やっと返信がきた。 《俺が隠し事すると何故かすぐバレるんだよな。 及川は今日頭イテーとか言ってたから、酷くならないうちに休ませといた。 別にそんな大したことねーから、心配すんなよ。 お前は自分の風邪を治すことだけ考えてろ。 分かったな!》 え? 及川さんが風邪? もしかしてずっと俺の部屋に居たから、風邪うつったのか? 俺のせいで及川さんが、風邪で苦しんでいるかもしれない。 《影山返事しろ!! 分かったな?!》 俺は岩泉さんのメールを無視して、部屋を飛び出した。

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