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・第150話・
出し抜けに腕を引っ張られ、俺は覆い被さるように倒れ込み、及川さんの肩口に顔をうずめる形にさせられた。
下から激しく揺さぶられ、俺の視界は歪みクラクラと何も見えなくなっていく。
快楽の波が容赦なく押し寄せてきて、俺は完全に溺れのみ込まれてしまった。
繋がったところからジュプジュプと卑猥な音と、トロトロと欲望を溶かしきった証の蜜が溢れ出てきていた。
「あうぅっ! おい、おいか、わさんんぅ、止めてぇっあぅっ、あ…あっ、とまって、あ……あっ、あぁ、ひあっ……ぅ」
「もう無理だよお前には。
そんな淫らに喘いじゃって……やっぱりお前は受けじゃないとダメだ」
俺に攻めは無理……そんなことない!
さっきだって及川さんをイかせることが出来たし、俺だって本気を出せば!
なんて強気に思っても、もう俺の身体は言うことを聞いてはくれなさそうだ。
激しくて、良いところに丁度当たって内壁を擦られて、気持ちよすぎてクラクラして……
ただただ及川さんにしがみつくことしか出来なくて……
もうダメだ……何も考えられなくなっていく
「あぁん、ふぁ……やうぅ、あ……あ、あぁああっ!」
及川さんにギュッと強く抱きしめられて、繋がりがよりいっそう深くなったその時、
俺は我慢出来ずに、身体をガクガクと震わせながら
及川さんの腕の中で白濁を思いっきり開放させた。
「んハァ、あぁ……及川さん……」
「お前にこれほどの快感を生み出すことが出来たと思う?」
いや、思えない……
だって 俺は今ので完全にイってしまったけど、及川さんはまだ俺の中で欲望を大きくさせたままだった。
「及川さん、俺じゃああなたを気持ち良くさせてあげられないんすね……」
「フフフ…そんなことないよ。
だって俺は今、お前の可愛い姿にこんなにもコーフンしてるんだもん。
お前だけだ……俺をこんなにコーフンさせるのは。
俺の心と身体は完全にお前に囚われているんだよ。
他の人じゃ無理だ、お前じゃなきゃダメなんだよ」
他の人じゃ無理
俺だけがあなたを気持ち良くさせられる……
「攻めはやっぱりお前には無理だったけど
でも良いじゃん俺達両想いなんだから、愛し合えればどっちが攻めで、どっちが受けでも……
他の誰かじゃない、相手がお前だってことに意味があるんだよ」
及川さんはいっつも俺を安心させて、喜ばせてくれる。
俺も好きだからあなたに触れたい、気持ち良くさせてみたい……なんて思ってたけど
俺達は両想いだから、お互いの存在が有るだけで気持ち良くなれる。
他の女子達でも、新藤さんでもない
俺にしか出来ないこと……
「飛雄……可愛い」
俺だけなんだって思えたら嬉しくて、上がっていく口角を戻すことなんて到底出来るわけない。
そんな俺に及川さんは本当に嬉しそうな笑みを浮かべて、ギュゥッと胸が苦しくなるほど力強く抱きしめてくれた。
「飛雄……」
耳元で響く甘い声と一緒に、今もまだ存在する俺の中の熱がよりいっそう燃え上がっていくのが分かった。
「ンッ、は……ぁ
及川さん……俺達にしか出来ないことしたいんですね?」
「分かってるね。
まだまだ終わらせないってこと!」
俺達はお互い口角を上げて見つめあい、どちらからともなく深い口付けを交わした。
言葉に出来ないほどの幸福感に包まれ、俺は絶え間なく与えられる快感に溺れていった。
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