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・第162話・
熱くて窮屈な窄まりへ、強引に突き進もうとする長い指。
内壁を擦りゆっくりでも確実に蕾を押し開かれ、苦しく身動ぎしながら荒い息を吐き続ける。
「あっ、はぁ……ん、いやっあ、おい…か、わさっ……」
徐々に、でも確実に奥へと迫られ……
きっともうすぐ行き着いてしまうであろう、ある場所への刺激に期待と不安が入り交じる。
瞬間的にでも触れられてしまったら、きっと俺はその快感に抗うことなんて出来ない。
そうなる前に何とかしねーと!
「いやぁ! は、離して、くださ…おいか、わさん!」
俺は必死に後ろ手で俺の中へと入り込んで来ようとする手を掴んで、踠いて逃げようとする。
そんな俺の腰をグッと引っ掴んで引き寄せ、指を進めながら及川さんは吐息混じりに微笑んだ。
「離すわけないでしょ。もうちょっとで良いとこあててあげるから、そんなに焦らないの」
「やぁっ!」
「大丈夫、すぐ気持ち良くなるよ」
大丈夫大丈夫と繰り返す及川さんに、首を振って抵抗を続ける。
全然大丈夫じゃない
こんな外で気持ち良くなるなんて嫌だ!
「や、めろ、及川さん!!
ぁ……やっ、やめっ…んぁ、……んああぁっっ!」
無理矢理与えられた圧迫感に潤んだ瞳が次の瞬間、大きく揺らめいた。
必死の抵抗も虚しく及川さんの長い指が、敏感なところを擦り刺激した。
「ん? フフ……あったあった、ここ ここ……
飛雄ここ、気持ちーね♪」
「あっ、はんぁっ! あ、あ、あぁあ、んやあ!」
そこばかり継続的に攻められ、もう声が押さえられない。
全身に電流が走るような激しい感覚に襲われ、快楽に身体が痺れ震えが止まらない。
熱い……
「おい、かわひゃ……あぁっ、んっ、あた、頭ぁ、おか、しくなる……あ、つ……あちゅ、いで、す……」
荒い呼吸を繰り返しながら、震える手を彼の方へと必死に伸ばす。
気持ち良さに視界が滲んで、及川さんの姿が良く見えなかった。
「…………エロ……」
及川さんがボソリとそう呟いて、ズルリと蕾から指を抜いた。
ずっと与え続けられていた快感を失い、止めてほしかった筈なのに物足りなくて。
喪失感に唇を噛み締めていると、突然後ろに熱い物を押し当てられる感触がした。
ハッとして慌てて振り返ると、及川さんの張り詰めた熱が俺を襲おうとしてきていた。
「あ、やっ、ダメぇ及川さん!!」
「もう、遅いよ飛雄……エロいお前が悪い」
低い吐息混じりの声の後、及川さんが俺を強く引き寄せ、一気に貫いた。
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