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第166話
静まりかけていた欲望にまた火を灯され、自分の意志とは関係なしに身体が熱くなっていくのを止めることが出来ない。
揺れる視界に目を見開き、顔を真っ赤にさせた月島の表情がぼやけ掠れて映った。
なんでこんな月島の目の前で……嫌だ、及川さん止めてくれ!
「あっ、あっ、や! 及川さんやめっ、あぁっ!」
必死に抵抗を試みるが、それを阻止するように最奥を強く突かれ、全身に快感が駆け巡った。
頭がクラクラして甘く痺れ、上手く言葉を紡げず、出てくるのは抑えられなかった喘ぎ声だけだった。
恥ずかしい……こんな声を、こんな姿を月島に見られるなんて。
そう思っても自然に出てしまう喘ぎ声と、快感を止めることが出来なくて。
「あ、んぁ……あぁ……や、やら……おい、かわひゃ」
「あーーどーしよ……止められないかも。
俺まだイッてないし。だからさメガネくん、お楽しみの最中だって分かったよね?
俺達すんごいラブラブなの。
もう諦めてさ、早くどっか行ってくんない?」
「……諦める?」
「そ、諦めて」
こんな状況で何普通に会話してんだよ。
恥ずかしくて嫌なのに俺の昂りは快楽を求めて聳り立ち、トロトロと止めどなく蜜を滴らせた。
「んあぁぁ、んは……あっ…」
「飛雄ももう限界そうだし……諦めてよメガネくん」
低い声でそういい放った及川さんに月島は何も答えず、顔を赤くさせながら真っ直ぐに見詰めてくる。
「つ、つき、し、ま……んンっ…こっ、こっち、見んなよ……っ、ああぁ……」
「諦めるなんて、そんなこと……」
もう本当に限界が近かった。
後ろから容赦なく与えられる強い快楽に身体を震わせていると、月島がボソリと何かを呟いた後、ゆっくり歩み寄ってきた。
「ちょっとメガネくん! 俺はどっか行けって言ったんだよ!!」
「そんなこと……」
その行動に及川さんが声を荒げたが、それを無視して近付いてきた月島は、俺の顎を掴んでクイッと上を向かせた。
「なっ! ちょっとメガネくん、何を!?」
「つ、月島……?」
「出来るわけないでしょ」
静かな声でそう呟いたと思った次の瞬間にはもう、月島の唇と俺の唇が重なりあっていた。
な、なんだこれ……俺……月島にキスされてる?
頭の中が一気に真っ白になった。
「何やってんだよお前!!!!」
強声がその場に響き、及川さんが月島へと手を伸ばす。
その振動で身体の奥底が刺激され、俺の欲望が大きく脈打った。
「んンンンンっっ!!」
俺は月島にキスされたまま、白濁を解き放ってしまった。
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