222 / 345
第221話
キス1000回……
そんなに出来る?
そんなの俺には分からないけど
出来る出来ないじゃなくて、それだけ永く、多く
及川さんと繋がっていたいんだ……
「及川さん……早く……」
彼の頬を包み込んでいた両手に力を込めて、自分の口元へと導く。
顔を赤く染めながら、及川さんは瞳を甘くさせた。
「1000回、ね……
俺のキスがそんなに欲しい?」
「早く!!」
そんな愚問いらない
自分が言い出したくせに、答えが分かりきったそんな質問をするなんて……本当に意地悪な人だ。
及川さんは声を大にして急かした俺の両手に自分の手を優しく添えてから、ギュッと力強く握ってきた。
その感触に鼓動が一つ跳ねたと同時に、痛いほど強く唇を押し付けられた。
「ンンッ!!」
一瞬呼吸を忘れてしまうほどの勢いだった。
その反動で二人一緒に、床に倒れ込む。
頭を強か打ってしまったけど、そんなの気にしていられない。
瞼をギュッと閉じ、これから続く数多のキス達に心が熱く震えるのを抑えることなんて出来ない。
「んっ、ん、ンンッ……は…んぅ……」
口腔内を熱い舌でトロトロになるまで掻き回され、頭の中まで蕩けてしまう。
気持ち良すぎて、ただただ受け入れ感じることしか出来ない俺を見て、及川さんは微笑みながら唇を離した。
あ……嫌だ……
離れちゃ……
ほんの少しだけど離れてしまった唇がもう恋しくて、蕩けてしまった手を必死に伸ばす。
及川さんはまた笑ってから唇を近付けて、
チュッ チュッ
と、何度も音を鳴らしながら、キスの雨を降らした。
唇、鼻先、額、
頬から首筋へと……
及川さんのキスで、俺の全てが埋め尽くされていく。
そして、及川さんはキスをしながら器用に手を動かし、俺の服を捲りあげた。
胸元にも沢山キスをされて、くすぐったくて気持ちいい。
だがそこで、突然胸元に痛みが走った。
「ンッ!! あ……及川さん……」
慌てて彼を見ると、さっき痛んだとことは別のところをゆっくりと舐め上げる及川さんが映った。
丁寧に舐めてからそこに唇を押し付けて、思いっきり強く吸われる。
「んあっ!」
さっきと同じ痛みが走って、思わず身体を捩った。
この痛みは……もしかして
キスマーク?
もう一度さっき吸い付かれたとこを見ると、そこには紅い花が咲き綻んでいた。
「及川さん……」
「つけちゃった」
そう言って楽しそうに、また俺の唇にチュッとキスを落とす。
「これだけじゃあ足りないよ。
お前が俺の物だっていう証をもっと沢山この身体に刻みたい……」
甘い声で囁いてから
及川さんはまた唇を胸元へ寄せた。
ともだちにシェアしよう!