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・第229話・
「あげる!」
強声が頭中に響く
噛み付くような唇が痛くなるほどのキス
及川さんの真剣で熱を宿した鋭い瞳に、心の底を射貫かれた。
苦しくて上手く呼吸出来ず、ギュッと瞼を閉じた。
けど、それでも愛しさに心地好いと感じてしまう。
もっと苦しくして……もっと欲して、激しく全てを奪いさってほしい。
首に回した腕に力を込めてしがみつく。
唇を押し付け、彼を引き寄せて、もっともっとと口付けを深くする。
それがスタートの合図だったかのように、さっきまでゆっくりだった及川さんの律動が加速していく。
「ンンンッッ! んぅ、ふうぅ……んぁ」
身体を上下に揺さぶられ
最奥を何度も貫かれる
突かれる度、喉から溢れる喘ぎを抑えられない。
「んふぅ、んう、うふうぅ……んあ、んうぅ…んっ、うぅっ!」
絶え間なく与えられる快楽に、頭の中がぐちゃぐちゃになっていき、クラクラする。
もう、気持ち良くて、おかしくなりそう……
それでも唇は離さない
離したくなくて、快楽に溺れながらも必死に腕の力を強くする。
律動の激しさに、舌を噛みそうになりながらも、それでも舌を彼へと伸ばす。
飲み込むことの出来なかった二人の唾液が止めどなくあふれだし、俺の頬を伝って溢れ落ちる。
そんなこと気にしてる暇なんてないほどの、熱くて夢中になるキス
唇も中心も繋がっていたいんだ……
肌のぶつかり合う音
水音が部屋中に響いて
更に快感を煽っていく
「んむぅ、ん、ふぁ……ん、んっ」
気持ちいい……
もっと、ほしい……
この気持ち良さ、あなたも感じてる?
俺とのセックス気持ちいいですか?
快楽に負けそうになりながら、揺さぶられ喘ぎの途中でそっと瞼を持ち上げる。
及川さんは目を強く瞑って、汗を流しながら腰を振ってくれている。
「んっ、ふ……」
時々溢れる、及川さんの吐息
それがとても気持ち良さそうで、
嬉しくなった……
気持ち良さが、快感が一気に押し寄せて止まらなくなった。
また瞼を閉じる
彼が与えてくれているこの感覚全てを、全身で感じて
「んん、んふっ、う、んっ、んっ、んんぅ!」
気持ちいい ダメ……
イくっ!
もう、我慢なんて出来ない……
「んうっ! んンンンッッ!!」
一気に快感の熱を解き放ち、後ろも締め付ける。
「んっ、う……!」
及川さんも声を漏らしながら、俺の中に全てを解き放った。
いっぱい入ってくる……その感触もすごく気持ちいい。
及川さん、感じていっぱい出してくれたんだ。
彼の精液が俺の身体と混ざり合う。
こんなに嬉しいことって他にあるだろうか……
俺は、キスをしたまま
繋がったまま
この喜びを噛み締めた……
及川さん……俺、幸せです……
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